信じるしかない
「ハチ(ハチ割れの元野良猫・♀)が、スズメ捕ってきた」
畑仕事をしてると、ダンナが差し出します。
「・・・これ、スズメじゃないよ?」
見ると、ずっと小さいし、模様だって違う。
「とりあえず、生きとるみたい」
知っている鳥より、知らない鳥の方が圧倒的に多い私。
・・・調べると
センダイムシクイ、・・・かな?
スズメより小さくて、なかなかお目にかかれない鳥らしい。
そのお目にかかれないものを
よく捕ってきたね~、ハチ。(褒めてるんじゃないよ?)
彼女は、揚げたての春巻きも捕ってきたことがある。
おいしそうな煮魚も。
あと、わが子が言うには焼く前のシシャモも。
いったいどこでもらってきてるのか。
怖いので、深く考えないようにしたい。
ところで、(仮)センダイムシクイちゃん。
Q太郎(セキセイインコ・♀)の半分くらいの大きさ。重さだって1/3ほどしかなさそう。
小さな、小さな鳥です。
毎度のこと、困ったな~。
保護猫ハチが原因で野鳥保護は2度目なのです。
ミイラ取りがミイラに。
残念ながら亡くなっているときは処理も問題ないのですが
なんとか生きてる!って時が
生きててよかった半面、お世話に困るのです。
一度目は、びっくり!ドバト。
デーデー、ポッポーの土鳩です。
おいおいハチさん、獲物にしては大きすぎやしませんか?
命からがら、我が家の物置下に逃げ込んで
それでも追おうとするハチを家に入れ、
猫がたまに必死なのは、なんだかちょっと可笑しい。
翌朝。
・・・生きてた。
いや、生きててもいんだけど、どうしよか?
調べたら、実は、鳩というのは鳥獣保護の対象外。
カラス、シカ、イノシシのように農林業に害をなすので
ケガをしてても、鳥獣保護の対象にならないのです。
例え、保護対象内の動物でも、
車や人が原因でのケガとかじゃないとダメで
自然のなりゆき、では対象外となります。
大きな鳥に襲われたとか、猫にやられたも。
そう、運よく生きてはいるけれど、治療してもらえない。
結局、ロクな手当もできないまま
土鳩もセンダイムシクイちゃんも自然に返しました。
ぐったりしていた数時間後、割としゃっきり起きていたセンダイムシクイちゃん。
100均のおちょこサイズ。ちっちゃい。
箱をのぞき込むと、逃げようと飛び跳ねる。意外に元気。
強いな~、野生って。
鳩を近くの山道に放したとき、
てっきりハト本人は「食われる~!」と思っていたらしい。
慌てふためいて、逃げようとして、
追ってこなかったので、「?????」
こちらを二度見していたのが、面白かった。
「・・・あれ?食べないの?」。
「食べれるらしいけど、食べんよ~。フランス人じゃないし。」
(フランス人だって食べてるのは食用で、ドバトじゃない。)
それこそ豆鉄砲食らった顔で、山の緑の中でポカンとしてました。
その後どうなったかは、分かりません。
死んじゃったかもしれないし、元気になって飛んでったかもしれないし。
その時のタイミングで、
その時の気持ちで、
その時の知識と力で。
私たちには、「今できるだけ」のことしか、できない。
できるだけ。
できるだけ、やった。
後は、もう信じるしかない。
ただ、信じるしかない。