おりこうさん

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


子ども達が社会人となって、子育ても終わりと言えば、終わりになりました。

今思えば、親になってみて、あらためて気づいたり、考えさせられることが多く。

そういった意味でも、親になったことは、私にとっての大きな学びになったと言えます。


子ども達が小学生のころ、夏休みに実家に帰っていた時のことでした。

わが子は、おだやかな性格だからか、あまりにも図星で遠慮したのか、
さいわい?「ク●ババア!」といわれることもなく育っていました。

かといって、言うことを、ハイハイと聞くわけでもなかったのです。

私自身も、なんとなく「○○しなさ~い‼」とヒステリックに言うのが嫌で、
「○○するってのは、どう?」みたいな感じで言ってきたのですが、

「う~ん!」と言いつつ、・・・しない。

帰省中に、その様子を見た、実家の母から

「子どもにナメられてから!」と言われたことがありました。

・・・そうか、私は、ナメられないよう育てられたのか。

そうすると、色々なことが、点と線でつながっていきました。


子どもは親を敬い、従うこと。


聞こえはいいけれど、なんだ?このモヤっとする感じ。


それは、親が一方的に、植え付けるものなんだろうか。


親に限らず、社会的な上下関係は、かならずある。

親と子。上司と部下。教師と生徒。プロとアマでもそうかもしれない。

先輩なんだから、
経験も知識も豊富なんだから、

敬えよ。従えよ、と。

言うことをきかないと、後でどうなっても知らないよ、と。


う~ん。

【敬い】はともかく、【従う】にモヤっとくる。

隠れた、【従うべき】にモヤモヤする。


今、朝ドラ『虎に翼』であらためて、数十年前に学校で習ったはずの、
日本国憲法にふれることが多くて、考えさせられます。

【従う】ことが、強制ではなく、子ども側からの能動的なものだったら問題ないのです。

常日頃から、その大人の言動を見ていて、

「この人がこう言うんだから、そこには何か大きな理由があるんだろう。」

そう自然に思えて、そうしておこうと言うのなら、問題ない。
でも、【従わない】と、どうなるか分からないから、そうするのは
怯えからであって、

そうせざるを得ない状況に、大人がしてしまっている。

そこに見えない【強制】がある以上、子どもは個人として尊重されていないわけで、

多分、そこにモヤっとくるんだと思うのです。


半世紀以上生きて、ク●ばばあ感も板についてきた私ですが、

モヤっと来る中に、思いがけず、自分の子ども時代のかさぶたを見る。


人生の先輩であろうが、後輩であろうが、

お互いに、一個人として尊重される風通しの良さがあればいいのになと思います。

子どもは未熟に見えるかもしれないけれど、

先輩風を吹かせた大人がいつも正しいとは限らない。

「○○しなさい!」

「なんで?どうして?」

「どうしてもよ‼‼‼‼」

押さえつけ、しまい込んだ言葉が、子どもにモヤモヤとなって残る。


生まれつき、親を嫌う子どもはいない。

少なくとも、物心つくまでは、

どんな未熟な親でも、欠点の多い親でも、

子どもは、全身全霊の愛情で親を慕ってくれる。必要としてくれる。

それが、物心ついてから、

埋めようもない溝に気づいても、遅い。

それは、物心がついた、子どもの心に、
大人が、何かをしでかしたことになる。


「じわじわできた傷は、じわじわ治すしかない」


わが家へやって来た時、猫のハチさんを病院に連れて行った際、
年配の獣医さんから言われた言葉を思い出します。

首から左脇にかけて、輪ゴムが食い込んで抉れ、大きなキズができており、

その手術が難しいとして、言われた言葉でした。


じわじわできた心の傷も、きっとじわじわ時間をかけて直していくしかない。

そして、そのかさぶたを気にして、自分ではがすようなことをしていたら、

いつまでたっても治らないのも同じなのかと思います。


(こころ)に諸(もろもろ)の不浄を思ひて 心に諸(もろもろ)の不浄を想わず

これは、以前書いた嘯吹神社でいただいた社報にあった、
六根清浄の大祓(おおはらい)の一節。

意識に様々なけがれた事を思っても、その事を魂に刻まないように

という注釈がありました。

【けがれ=気が枯れる】なんだとすれば、

元気がない時、疲れている時、余裕がない時ほど、
気を付けないといけないのかなと思います。

それを考えれば、「ナメられないよう」育てねばならないほど、
若かりし頃の母だって、いっぱいいっぱいだったのでしょう。


私は、神経質と言うか、気にしぃな方なので、

そんなこと思うアンタが悪い!と、何度怒られたか分かりません。

でも、ほぼ瞬間的に、思っちゃってるんだから、どうしようもない。

何も思わなかったことにして、何度、自分の感情に蓋をしてきたか。

臭いものには蓋、です。

でも、その何かはブスブスと心で悪臭を放ちかねない。

だから、

そう思っちゃったにしても、魂に刻み込むほど、執着するな。
思ってしまっても、手放して、楽になりなさい。

清々しくありなさい。

・・・と、いうことなのかな。


せめて、自分にできることは、

大人や、上の立場の人に言われて嫌だったこと、
されて嫌だったことは、

子ども達にしないこと。

それくらいしか、ありません。


「なんでお前は、そうなん?」

子どもを失敗作のように思うなら、

それは、親としての私だって、たかが知れている。

子どもは親の成績表じゃない。


あくまで、ヒト対ヒトで、

人間は、自然の一部でもあるんだから、

思いのまま行くことばかりではない。


明るく快活で、勉強も、運動もできて、友だちも多くて・・・。

本当に、手のかからない、お利口さん。

利口とは、賢いや聞き分けが良いのほかに、抜け目がない、狡いの意味もある。

大人の顔色をうかがわせて、お利口さんの良い子が

大人にとっての【都合】の良い子にならないように。

こどもだって
こどもだって
こどもだって
(こどもだって、色々大変なのだ。)

スクスク、イキイキ、

どの子も育っていけますように。

そう願います。

暮らしと音風、笑う

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


以前、版画家の武田由平(よしへい)さんの作品を、中津市内5か所で展示公開する催しに出かけたことがあります。

武田由平さんは、飛騨の生まれ。

昭和4年、遠く離れた中津南高校に美術の教師として赴任しました。

右手で文字を書きながら、左手で絵を描いて、生徒たちをびっくりさせ、
「ガニ先生」と呼ばれて、とても慕われていたそうです。

生徒にも地元にも愛され、その作品が市内各所にあったことで、
官民タッグを組んでの【アートで中津をつなぐ合同展】として、開催されました。

その会場の一つとなったのが、登録文化財にもなっている久恒家住宅。

実は、ずっと前から、立派な門扉と大きな木に囲まれた、そのお屋敷が気になって仕方なかったのです。

どんな建物なのか、ぜひ見てみた~い!

しかし、おいそれとは入れない。

敷居が、文字通り高いのです。

美術展の会場にもなっているこの機会に、ぜひ見てみたい!と、鼻息も荒く出かけたのでした。

(武田由平さんの作品は、とても温かみがあり、色彩も、構図の取り方も、
本当に私好みであったのですが、今回は記事としては割愛させていただきます。

久恒家住宅も、武家屋敷+洋館みたいな風情あるつくり。入り口に銅鑼があって、びっくりしました。
バィイ~~ィン‼「たのも~!」って呼ぶんかな?どだろ?)



なかなか一般住宅では見ない感じの敷地の門をくぐると、入り口付近にすぐ、【六月八日】という、すてきな雑貨店があります。
(もう、ロゴがカッコいい。)

山林業を営んでおられる関係で、森から採れたエッセンシャルオイルや関連の雑貨などを取り扱っていました。

その店先に、「りーーーーーーーん!」となんとも澄んだ音がする。

それはスタイリッシュな鋳物の風鈴。

・・・こ、これは、なんていい音なんだろう!
(思えば、この時、私の風鈴スイッチがONになる。)



どこのか聞いたのですが、・・・覚えきれず。

後日ネットで探して、【能作】という鋳物メーカーの、スリムという風鈴では?と思っています。
(興味のある方は、公式サイトにて視聴もできますので、ぜひ。)

とはいえ、考えてしまった。

あの音は、あの久恒家住宅、あの六月八日のような雰囲気にあってこそ、
似合う音なんじゃないか。

知らないだけで、きっと他にも色々自分にピッタリのものがあるかもしれない。
(お値段も、思った以上、そこそこしましたので・・・。)

そこで、【風鈴 音色】で調べてみることにしました。

今は、YouTubeなどで検索すれば、風鈴の聴き比べが簡単にできるのがありがたい。

南部鉄器、小田原風鈴、茨城のサヌカイト石、明珍火箸、鎌倉メノウ風鈴・・・etc.

どれも涼し気な、日本の夏にぴったりの良い音です。

サヌカイト石や、メノウなどの鉱石は、澄んだ音色の中にもどこか素朴な感じもします。

色々見ていると、コシチャイム(ヒーリング風鈴)なるものも出てきました。

ヒーリングかぁ~。

せっかくなら、聞いていて癒されるような音色がいいかなぁ。

そこでヒットしたのが、これ!

20240715_バンブーチャイム.png

バンブーチャイム!

風が吹くと、コロン、ポコン♪ポコン、コロン♪と音がする。

他の風鈴の、一瞬で空気を凛とさせる音色も素敵だったのですが、

竹と竹がぶつかり合う、この自然で素朴な、かわいい音色に参ってしまった。


どんなに風が強くなろうとも、コロン、ポコンと、なんだかのほほ~んとしている。

そして、その素朴すぎる自然な素材の音色は、

風が吹くたび、風が笑っているようで、聴いていて楽しくなる。

これは、かわいいわ。

しかも、Amaz●nで、1,500円前後で買える。

なんを言えば、吹きさらしの風の通り道にぶら下げていると、ちょっと黒ずんでくるのが玉にキズでしょうか。

それでも、風が吹くたび、うれしくなる音色なのでした。

これなら、住宅街でも嫌がられにくい音色なんじゃないかなぁ~。

もし興味がある方は、ぜひ聞き比べてみてください。

とても楽しいです。


そういえば、ヤシの実割った時、どこかで見たことがあると思ったら・・・。

ヤシの実の殻

ヤシの実殻

バンブーチャイムの上部は、ヤシの実の殻でありました。

バンブーチャイム

ヤシの実の殻って、なんか使えそう・・・。

そう思って作ったものの一つが、こんな風鈴なら、

ヤシの実って本当に捨てるところがない感じ。

自然なものからは、自然な、かわいい音色がしました。


ヤシの実にストローを。

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


おそらく、人生最後となる春休みを堪能中、

「俺、ヤシの実にストロー指して飲んでみたい!」と次男がいきなり言いました。


二刀流になるわけでも、海賊王になるわけでもなく、

いきなり言い出した夢が、ヤシの実って・・・。


とはいえ、そう言われると、気になる。

私も、ヤシの実、どうやってストローをさすのか、半世紀生きて知らないぞ?


そこで、以前ダチョウの卵でさえ買えたんだから、きっと売ってるに違いないと、
アマゾンで調べてみました。

「あったよ・・・、ヤシの実も。」


そして、届いたのがこちら。

ヤシの実

2個入り。おまけつき。

もっと大きく、表面がフサフサだと思い込んでいたので、意外に小さく、しかも硬い。

表面に貼られた説明シールに書いてある、飲み終わった後のカナヅチの出番にも、一抹の不安を覚えます。


とりあえず、まずは丁寧に「OPEN」と書かれたところに穴を開けます。

ヤシの実

包丁で、グリグリグリグリっと。

ヤシの実

ココナッツの実が出てきました。

この、ストロー用の穴は、不思議なほど、労せず開く。

まるで、ストローで飲むために用意されてるような穴。

そして、中は、空洞。ここにジュースが溜まっているんだから、不思議な木の実です。

熟成されるうちに、中のジュースは果肉(胚乳)へと変化していくようなので、

若い実ほどジュースが多く、熟すほど反対に果肉が多い状態になる。

ふんふん、なるほど。・・・と言いながら、なんでジュースが胚乳になるのかも気になってきます。

なんで?なんで?なんで?

どんなにトシを取ってきても、世の中知らないことだらけ。

また、色々分かったら書くかもしれません。

それはともかく、ジュースです。

2個しかないので、味見用に、コップに少し注ぎ入れ、

20240705_coconuts_5.jpg

20240705_coconuts_6.jpg

ヤシの実に、念願のストロー(太めのものが付属)を指します。

どれくらいジュースが入っているのか分からなかったので、コップには少しだけ。

意外や意外、それでも本体の方にはかなりのジュースが残っていたようでした。

さて、そのお味は?


う~ん。ミルキーなスイカ汁、エスニック風味。

不味くはないのですが、飲みなれていないので、不思議な味。


夢が叶った次男も、「う~ん。不思議なお味。」だそうで。


さて、問題の本体です。

春休み中なので、真夏のようにすぐ腐りはしなくても、
なるべく早く処理したいところ。

当時調べた時は、割る、身を削る、といった力任せなことしか出てこず。

後で知ったのですが、割った後、レンチンすると鬼皮はスルリと取れるようで。

それでも、柔らかくなった身に付いたままの薄皮は、やっぱり削って落とすみたいでした。

もっと深く調べたら、より簡単な方法があるのかもしれません。

とりあえず、カナヅチで割らないと。

わが家は猫さんズがいるので、びっくりさせるといけない。

場所を外に移します。

ヤシの実を割る

ガンガン叩いて、

ヤシの実を割る

やっと、大きな穴が。

ヤシの実を割る

埒が明かないので、トンカチどころか、ノコギリ登場。

ヤシの実を割る

やっと割れた!

・・・やっと割れたんだけど、まだまだこれから。

肝心の身を取っていかないといけない。

ヤシの実の身を削る

マイナスドライバーをノミ代わりに、カナヅチで叩きます。

もう、これ、あれですよ。

禅海和尚ですよ。青の洞門の。恩讐の彼方に、です。

もう、食べ物の身を取るレベルじゃなくなってきました。


岩肌を削るようにして、バラバラになったココナッツの身を

ピーラーやら包丁やらで、削り落としていきます。

そして、やっと削れた身を、とりあえずスライスしてみました。

正直、どうしていいのか分からず。

身もそこそこの、妙な弾力があるからでした。硬めのウリのような、ぶにゃぶにゃ少なめのイカのような。

どうするこれ?

とりあえず、ローストしてみました。オーブンで。

スライスしたココナッツの身を焼いてみる

焼いている最中は、ココナッツの焼けた香ばしい匂いがする。

きっと、カリカリになってるはず。・・・はず!

しかし、焼けども焼けども、カリカリにはならず。
妙な"しなり"、弾力はまだまだ健在。

どうなってんの???

仕方ないから、ミキサーにかけてみる。

ミキサーにかける

ガガガガガガガガガガガ・・・・・‼‼‼‼‼‼

あかん、ミキサー壊れそう。

なんなんやろ、この弾力。

そしてその後。

どうしたかと言えば、どうもしきれず。

ただ今冷凍庫を占拠しております。

あのまま、スルメの弾力をもつナッツとして食べるしかないんだろうか。

冷蔵庫に、どうしようもないココナッツの身を残したままの先日。

テレビで、あるの光景を目にすることとなります。

NHKの【サトリポ】と言う番組で、九州沖縄で暮らすアジアの若者の里帰りに同行する内容でした。

その時は、大分市でカレーショップを経営するスリランカの男性の里帰り編。

スリランカでは、カレーはもちろん色々なものにココナッツが用いられるようで、

男性の実家でも、料理上手なお母さんがココナッツを削る様子が映し出されていたのでした。

お母さんは、頑丈な土台に、斜めにキリがくっついたような道具で、
手でココナッツの実を動かしながら、内側をシャカシャカと削っているのでした。

・・・・道具あった~!

そりゃそうだ。いつも使うなら、それ相応の道具があるはずで。

細かく削れれば、弾力あっても、スルメにはなるまい。

きっと裂きイカ程度の感じでおさまるはずで。

かえずがえすも、後のことしっかり調べてから割れば良かったと後悔した次第です。


もし、「夏休みに、自由研究でやってみたい!」というチャレンジ精神旺盛なご家族の方は、
ぜひとも失敗例として、ご活用?ください。

いやはや、ストロー指したその後の方が、大変だった・・・。

そう分かっただけでも、良い経験となりました。

個人的には、ココナッツより、ダチョウの卵で目玉焼きを作る方をお勧めします。

目玉焼き完成

あ、でも、4人家族で食べ終えるのに4日かかったんだった・・・。

どこか、物好きなご家族の方、良かったらチャレンジを。

少なくとも、一生の思い出にはなる、と思います。

おそらく、笑える方の。

おにあい

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


昔々、ケッコン祝いにと、いただいたティーカップがあります。

wedgewood

英国王室ご愛用の超有名メーカー、ウェッジウッド。

実は、1回来客時に使っただけで、あまり出番がなく。

うっかり割りたくないのも理由ですが、なんとなく似合わないというか。

高級そうで、お上品で、洗練されてて、のウェッジウッドに、私が追いつけない。

まさに、そんな【器】じゃないのです。


器に限らず、好みの傾向というものが人それぞれある。

素朴で、頑丈で、手づくりっぽい、土や木など素材そのものの感じが手に伝わるもの。

それが、私の食指を動かす根っこになっているようです。


さて、家の話です。

もくせい工舎の家は、どちらかと言えば、ウェッジウッド的ではありません。

もうちょっと、土くさいというか、人の手がつくった素朴さがあります。

しかしそれは、安っぽいのとは違います。


良い家が安く買えることは、理想ですが、

安く上げることを第一とするか、

素材や質を第一にしつつ、無駄なコストを抑えるか。

そこにはかなりの違いがあり、
そういった意味でも、もくせい工舎は、安さ地域一番!のローコスト住宅でもありません。


お金の問題は、非常にシビアだけれど、

住むことさえできれば、安いほどいいのか、

住む、暮らしていく場所として【良い家】を安くなのか、

本心では、どちらなのか見極めることが大事だと思います。

お金が関わってくると、身の丈に合う合わないで
贅沢は言えない気持ちになってきますが、

本当に望むものを見極めるには、「タダでもらえるならどれ?」で判ります。


例えば、器でいうと、どれを選びますか。

器の比較
(自宅にあるものを慌てて並べて、あまり良いものがなかったので、例としてあまり良くならず。スミマセン。)

住むのと同じように、どれも「飲む」ことはできる。

住むには、じゅうぶん。飲むにはじゅうぶん。ということです。

「それ以上、何を望む?」という声が頭をチラチラする。

でも、「どれをもらってうれしいか」を考えると、

自分が好みのもの、心が望むものが素直に出てきます。
(ひとそれぞれで、どれを選んでも間違いではない。)

それは、有名メーカーとか、値段、ステイタスなどなど、条件は関係なく、
ただただ、自分がうれしいもの。

しっくりくるもの。


色々なハウスメーカーがある中で、どれでもいいよと言われたらどれを選ぶか。

妄想すると、ホントウの素直な気持ちが見えてくるかもしれません。


そうそう。先日久しぶりに事務所に寄ったらこんなものが。

20240618_tutinoie.jpg

20240618_tutinoie_culu.jpg

お~。

これを見て、「お~。」と思う方は、もくせい工舎の家を気に入っていただけるかもしれません。

永家代表が、本業の合間合間につくっているので、まだ工事中ですが、完成のあかつきにはご紹介できたらいいなと思います。

自由に、思いのまま作っているからでしょうか、建物がイキイキして見えます。


「買う」となると、安さばかりに目が行きがちではありますが、

もし、タダでもらえるとしたら、自分が本当に好きなものを選びませんか?

それが、きっと本心から望んでいる、自分が好きな家なんだと思います。


安さ一番!ではありませんが、もし、心動かされる家として、もくせい工舎を選択肢の一つにしてもらえたら嬉しいです。

なにより、ご自身や、ご家族にとって、似合う家、しっくりくる家、心が晴れやかになる家を建ててほしい。


安かったから、ブランド品だからと、サイズ違いの靴を買っても、歩けない。

家づくりも然りで、自分の心身、生活にあうものが一番。

本当に好きな感じの家。

本当に、自分にしっくりくる感じの家。

たくさん、たくさん、色々みて、

本当に、心が動かされる家を、建てましょう。


そして、家と一緒に月日を過ごすうち、

訪れた人に、「○○さんに、似合うね。この家。」なんて言われたら、小さくガッツボーズしたっていいくらいです。

またたびチャンス!⑥

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


前回の記事

花袋に戻って、簡単な夕食をとり、好きなだけ本を読んで、
いつもは聞けない音楽を聴きます。
(家では、猫のハチさんが、音に敏感で怖がるので自由に聞けず。)


夜、灯りを点けていると、窓の障子越しに、ビシバシ何かが当たる音がする。

・・・虫?

BBCには雨戸がなく、また木製の木枠の窓なので、少しのゆがみを抜けて、
虫が直接、室内の障子を、外から叩いているのでした。

ブブブブブブブブブブブブブ・・・・・!

ありゃ~、アブかなにかが、入ってきてしまった。

ベッドの上に立てば、電灯にいるところを捕まえられそうです。

ビニールの内側に手を通して、パッとつかんで、ビニールの口を閉じます。

・・・・刺されなくてよかったけど、たぶん、日中障子を開けた時に、
反対側がきっちり閉まってなかったのかもしれない。

前回来た時は、4月のはじめ。今回は、5月のおわり。

時期が違えば、こういうことも起こる。

もし、興味があって宿泊される方は、障子の締りにはお気を付け下さいませ。


1時間いつもより早めに寝たのに、ぴったりいつもと同じ睡眠時間で、
夜中3時に目が覚める。

人の体内時計って、おそろしい。


結局、それから寝付けず、本などを読んで、朝風呂へ。

私は、寝癖がひどいので、それを直さねばなりません。

誰にも会わないようにしながら、テイの湯へ。

芹川

夜からかなり雨が降っていて、朝もやの中、テイの湯から流れた湯気が上がっています。

去年は、真っ青な空の下、泳ぐ鯉のぼりが見えた芹川も、

202304_芹川のこいのぼり

芹川

今朝は、ちょっと寂しげです。


というか、こんな雨の中、風呂に行こうと誰も思わなかったらしく。

やっぱりテイの湯、ひとり占めでした。

・・・飲食店にはフラれまくってしまいましたが、温泉に関しては
貸し切り、独占状態。

これはこれで、・・・・よし!として良いのかもしれません。

朝食

朝食は、お粥セット。去年とちょっと違います。
(みそ玉は同じ。あまり食べる機会がないのでうれしい。希望すれば、お粥→白米のご飯も。)

202304_朝食
(こちらは、去年の。)

BBC長湯は、最大30泊できる湯治宿でもあるので、少しづつ違うのかもしれません。

8:00、8:30と時間が選べて、受付時にOKすれば、10分前くらいに届けられます。
(こちらが気にすることではないのですが、微妙な時間差って気を遣うだろうな~と思います。
お盆に持って、各離れを回るのは、雨の日なんかは大変そうです。)



朝食を頂いて、チェックアウトをすませ、あさイチで万象の湯に行ってみましょう。

以前行ったときは混んでいたので、開店早々なら、ちょっとはいいかもしれません。


昨日の夜から降り続いて、今日一日、ずっと雨の予想。

外で待つのもなんなので、開店までの数分を、車の中でつぶすことにしました。

・・・ところが、後から後から、じゃんじゃん車が来る。

しかも、結構なスピードで駐車場に乗り入れ、慌てて車を駐車し、
自前のお風呂セットを持って、(開店前のはずなのに)建物の中へ消えていきます。

???????

これは、先に来たからこっちが先なんて雰囲気じゃないぞ??

気が引けましたが、とりあえず受付くらいには行ってみましょう。

受付で、「昨日ラーメン屋さんで食事をしたんですが、割引券もらい忘れて。
レシートでもいいですか?」と聞くと、

「どちらかというと、レシートの方がいいくらいですよ」と快諾して頂きました。

う~ん、やっぱり言ってみるもんだなぁ~。

数百円と言えど、積もれば違うはず。恥ずかしがらず、言って良かったです。


それで、肝心のお風呂なのですが・・・。

地元の方が結構いて、ちょっと居心地悪かった。

万象の湯の内湯は、落花生の殻のような、大小の湯船がくっついた形をしていて、
大きい方が熱めのお湯、小さい方が冷たい、泡がつく炭酸泉になっています。

熱い方で体を温めた後、冷たい方に入ったり、露天湯に行ったりして、
交互に入って、長くゆっくり浸かることで効果がでるそうです。

その落花生のくびれの所に、地元の方が占拠していて、大声で話しているので、

冷たいお湯に入ろうとすると、落花生の周りをぐる~っと回って、
遠慮がちに入らないといけません。

わぁわぁ大声で話している間を割って入って、湯船をすっぽんぽんでまたいで入るほど、
さすがのワタシも、そこまで肝が太くない。

旅館で夜勤で働いて、その帰りなんでしょうか。

こちらは夜勤で疲れてんだ!気楽な観光客とは違うんやけ、良い場所は地元のもん!

・・・なのかなぁ。

せっかくの良いお湯で、みんな同じように料金を払ってるので、お互い譲り合って気持ちよく過ごせれば良いのですが、なかなか上手くいかないこともあるもんです。


仕方ない。そうしたくなる何かがあるんだろうし、私がそこに責任を負う必要は全くない。

露天風呂も雨だったので、落ち着かず。

そうそうに引き上げることにしました。


長湯にはたくさん、日帰りで入れるお湯がありますが
返す返すも、テイの湯で嫌な思いをしたことがない。

それは、老舗旅館としてのキリっとした何かがそうさせるのか、
事情を知らない同士、【おたがいさま】の距離をきちんと保てる雰囲気があります。


みんな、生きていれば色々あって、

その大変度合いも、力量と条件で全く違う。

大変なほど、エライなんて世の中になったら、
認められたいがために、自分がどんなに大変かばかり口にしないといけない。

そんな苦労自慢、大変自慢しか口にできない世の中ってどうなんだろう。

大変大変と大声で言う人が、一番大変かなんて計りようもないことです。
(我慢強くて、愚痴ひとつ言わない人だっている。)


そんな中で、訪れた先で出会った素晴らしい景色や、おもしろかった本、感動した映画、心が震えた音楽の話をすれば、
「そんなヒマあっていいね」となる。

その行きつく先は、人前でうっかり休むことも、息をつくこともできないギスギスした社会であり、

常に他人が自分よりラクしていないか、楽しんでいないかを見張る社会であり、

そんなお互いを監視し合う世の中で、いつ息をしたらいいんだろう。

役に立つことばかりが、もてはやされる社会で、
常に自分自身にも、他人にも、使えるか使えないかでジャッジされていくそんな社会で

存在意義すら、誰かに勝手に決めつけられる。

役に立たないものは、生きている意味がないなんていう。

その言葉が、他人にも自分にもどんなに、毒になるか分からないのに。


お互い、事情を知らない者同士、なんにも分からない。
何にも知らないんだから、思いやって、分け合って、譲り合う。

その余裕がないのは、ギスギスして、ガチガチになっているからかもしれない。


芸術・文化はビタミンのようなものだと、誰かが言っていたのですが

そういう意味で、円滑油のようなものかもしれない。

多すぎてもいけないし、全くなければ、上手く回らなくなる。


どちらかに偏りすぎることがないよう、心がけたいと思います。


「万事うまくいかない」はずの旅に出て、
確かに思っていた通りにはいきませんでした。

だけど、全く全部がダメってことはなかったです。

それはそれで面白かったし、

思い通りにはいかなかったけれど、思いがけないウレシイこともありました。


人生もそうなのかもしれない。

望んだものには選ばれず、拾われた先で頑張る以外方法がなくても、

それはそれで、なんとか今生きているんだから、

ありがたがって、おもしろがって
右往左往していいんじゃないかと、思います。

これで、またたびの話はおしまいです。

長々しつれいしました。そして、ありがとうございました。


またたびチャンス!⑤

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


前回の記事

さて、どこに行きたいかというと、

実は、またたびチャンス!③の記事で載せた地図に書いてあります。

右往左往イメージ.jpg

が二湯の先の、【タビノトチュウ】と書いてあるところ。

天風庵の敷地内の一角に、新しくオープンしたと新聞で読んだのです。

オーナーは、【夏ノ庭珈琲店】として、大分県内各地をめぐる国東の方。

なんでも、久住町で出店した後立ち寄った長湯で、
芹川沿いのベンチに腰掛け、夕暮れを眺めていたときに、ここでお店を開きたいと思ったのだとか。

そのベンチ近くの店舗跡を借りた、というのが現在の場所のようでして。

自家焙煎の珈琲だけでなく、スイーツや、古本(!)などもあるらしく、
明らかに私好みのニオイがする。

これは、よらないと!

テイの湯には、昨年同様ひとり占めを狙って、18時ごろに行くつもりなので、
まだまだ時間があります。

BBCからも歩いて少しなので、とりあえずそちらに行ってみて、
それからどうするか考えましょう。


てくてくてくてく、芹川沿いをくだります。

膝の調子が悪いので、坂を下る度、ずんずん響く。

温泉が膝に効けばいいけど、一日じゃ無理かもなぁと思いながら、お店へ。

・・・・。ん??

タビノトチュウ

・・・なんか気配がしないけど???

・・・やられました。

タビノトチュウ

臨時休業だそうです。

なんだなんだ?今日は、長湯のおしゃれ系カフェで、寄り合いでもあってるのか??

なんと、またしてもフラれることとなったのです。(トホホ。タビノトチュウオが、オヤスミチュウ。)

タビノトチュウ
(手書きのお知らせもかわいい。楽しそうだな~、美味しそうだな~。ざんね~ん。
インスタやらない者にとっては、こんな時感じるアウェー感。「情報見たければ、登録しなよ」って感じの巨大IT企業になんか、負けるもんか~。)

仕方ない。仕方ないけど、今日これで4件目の行けずじまい。

これか?万事うまくいかないって。

なにはともあれ、今回はご縁がなかったということで、気を取り直して、ぶらぶらします。

ラムネ温泉
(この前は気付かなかった、ラムネ温泉前の【猫横断】の標識風看板。)

これだけではなくて、一回見てるはずなのに、

ラムネ温泉

ラムネ温泉の、建物の後ろ頭(?)の細かい造作に気付いたり。

散歩のような、歩く速度でないと見えないこと、気付かないこともあるもんだ。



芹川

タビノトチュウの店主さんではないけれど、長湯ってなんだか不思議なところです。

由布院や別府のように、温泉!観光!というわけではなく、
ほんと~に山奥の、
昔はどうやってここまできたのかしらと思うような場所で、

それでも、与謝野鉄幹・晶子夫妻をはじめ、多くの文化人に、昔から愛されてきた名湯で。

そしてそんな場所にも、ふつうの暮らしがあって。
放課後になれば、この小さな温泉街に住む、小学生の子ども達が芹川沿いを帰宅していて。

ガニ湯
(ガニ湯。脱衣場も、仕切りもないので、生まれたままをさらけ出す必要ありの、一大決心?の湯)

芹川
(この日は流れが速く、カモが必死に水かきして、水かきして、流れに逆らって、エサを探す様子が。油断して、時々スイ~ッと流される。)

何にもないようで、何か懐かしいような気もして。
やっぱり、不思議な場所です。


そして、夕方6時。

テイの湯に行ってみると、これまた誰もいない!

よっしゃー!でかした、ワタシ!

誰もいなかったので、前回なんて書いてあったか忘れた檀ふみさんの色紙や

テイの湯
(かくいう私は、溺れた蚊と一緒にお風呂に入りました。)

お風呂の様子を撮影させていただきました。

テイの湯
テイの湯

テイの湯は熱めではあるのですが、とても気持ちが良い。
本当は、ず~っと入っていたい。

老舗旅館なので、建物も、お風呂も、新品!ピカピカ!というわけではないのですが、
清潔で、気持ちが良い。

そして、本当にテイの湯に来て、微妙な思いをするということが皆無なのです。

「デザインの仕事は、使う人に不便を感じさせないこと」

そういったのは、WEBデザインをかじった時の先生の言葉でしたが、
こういった接客業などのサービスにも然りで、

なるべく微妙なモヤモヤとする思いをさせない、さりげない心遣いが、
大丸旅館の老舗としてのスタンスを守り続けているのじゃないかと、

そんな風に感じました。

川端家
(夜の帳が降りはじめ、お客様各位の川端家も眠りにつく。)

川端家


次回くらいでいい加減〆ないと・・・と
あせりつつ。

(次回へつづく!)
(今回は、連日続けて記事を上げます。)


またたびチャンス!④

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


前回の記事

14時にチェックインとしていたので、受付へ。

「本日、花袋にお世話になる○○です。」

「はじめてですか?」と問われたので、「2回目です」と答えます。

「じゃ、お分かりになりますかね?」ちょっと嬉しそうだったのは、気のせいか。

カギを預かり、いざ花袋へ。

BBC花袋

花袋は、愛しの山頭火の奥、一番左の建物です。


お~。

BBC花袋
木立の中、アプローチを通って行きます。

・・・上に落ちているのは、ドングリの花でしょうか。
(見た目ヒモみたいですけど、花言葉は「永遠の愛」だそうです。意外にも。)


一段低くなっているので、専用の階段があります。

お⁉ ドアと窓枠の色が、お揃いですね。

BBC花袋

ネットで調べた時、なんとなく思っていたことですが、

・・・う~ん。ちょっと暗めに感じる。

壁の色合いのせいかな~。ドアは可愛いのにな~。

正直、そう思いながら、カギを開けようとしたとき、

ガラスの向こうに見えたものがある。

BBC花袋

?????

ちょっと待って、ちょっと待って!
なんだなんだ?

玄関に飾られていたのは、これ!

BBC花袋

・・・こ、これは可愛い!(安ければ)買いたい!持って帰りたい!

玄関のドアの色と、作品の背景の赤が、ピッタリ!いいなぁ~!

タグが置いていたのですが、よく読めず・・・。

おそらく、川端家さんで見た、あの作品と同じ作者なんだろうかと推測します。

川端家
(こちらも可愛い!たまご?繭?が特に!)

こういったものを、サラっと飾っているのは流石です。

BBC長湯は、Bed(ベッド),Breakfast(朝食)Culture(文化)の意らしく、
ところどころに、彫刻や絵画、書などが飾られています。

この作品の横に、絵を掛ける金具があったので、
常時、この作品が置かれているかは、ちょっと分かりません。

それでも、この、女の子が雲をつかみたいと手をのばす作品に
出迎えてもらえたことは、本当にラッキーです。

立体の作品を、家に置くってなかなかないので、見れるだけでもウレシイ。

BBC花袋
(玄関より見える青々した風景。こんな感じの玄関、一般家庭じゃまず見ない。
この風景を見て、もくせい工舎が戸建ての貸家を作ったらこんな感じなんだろうかと妄想する・・・。)



こちらが、お手洗い。

BBC花袋

・・・お高そうな、手洗い鉢。

BBC花袋

こんなん一人占めしていいんだろうか。

BBC花袋

お天気が下り坂になりかけていたからか?

正直、ちょっと暗めに感じる。
(それもそのはず。その後、このテラスがある方向に陽が沈んでいたので、一番大きな窓が、西向きだったようです。)

BBC花袋

前に来た時、テラスでコーヒーでも!と思っていたのですが、
あまり、誰も使っていないのか・・・。

板を踏み外しても嫌なので、やめておくことにしました。
(この時、興味津々で、窓を開けたり締めたりとしていたことが、後でアダとなります。)

BBC花袋
奥がキッチンスペース。

BBC花袋
(椅子の背が当たったのか。キズが入ってしまっています。親方に直してほしいくらい。ついでに、もう少し明るめに。)

BBC花袋

BBC花袋

キッチンは山頭火と変わりませんね。


そして、こちらにもミニ書斎が。

BBC花袋
(室内灯を点けず撮影。画像の荒さでお気づきかもしれませんが、実際はかなり暗い。)

BBC花袋
(室内灯を点けて撮影。)

奥の、狭いスペースでも花器を飾れそうな棚が、なんともおしゃれ。
(新しいお施主様のどなたか、和室に作ってくれないかしらと思う。)

BBC花袋
窓からの景色と、計算されたようにつけられた小窓。


前回撮り忘れていた、お風呂の時間帯です。

BBC花袋

山頭火に泊まった時は、Wi-Fiにパスワードがなかったので、ちょっと怖くて繋げませんでしたが
今回は、ちゃんとパスワードありました。


完成現場のように、散々写真を撮りまくり、一息ついたら

前回全くできなかった、散歩に行きましょう。

実は、コーヒー豆を売るお店がちょっと先にできたと新聞に載っていて、ぜひとも行ってみたかったのです。

ジプシースマイルにフラれて、当てにしていたコーヒー豆も手に入れられなかったので、
新規開拓となるかもしれません。

まだまだつづく。
もしよろしければ、バーチャルひとり旅にお付き合いください。

次回、町内うろうろ編です。

(つづく)
(今回は、連日続けて記事を上げます。)


またたびチャンス!③

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


前回の記事


ジプシースマイルにふられ、食いはぐれたまま次を探さないといけません。

そういえば、BBC長湯の先に、天空の杜というキャンプ場ができて、
【cafe 風と土】という眺めが良さそうな場所が併設されていたはずです。

宿から近いし、すぐ戻れるかも。

しかし、前に場所を一度ストリートビューで見た時に、
すごい林道で、どうやってここに着くんかな?と分からずじまいだったのです。

とはいえ、Googleマップのお導きを信じましょう。

とりあえず、宿方面に向かって、さらに上へ登っていくだけ!のハズなので。

きっと看板くらい出ていることでしょう!


ところが、これが甘かった。

BBC長湯を左に、山道を行ったのですが、まず出てきた分岐点にキャンプ場の看板がない。

右往左往イメージ.jpg
(だいたいこんな感じ、の地図)

左側の道が、結構な急こう配で、なんとな~く、平坦な右を選ぶ。

これがそもそも間違いで、八十八ヶ所の霊場巡りの方に行ってしまい、
どんどん狭くなった道を、しばらくバックで戻る羽目に。

分岐点まで戻り、丸山公園の方に向かい、お稲荷さんをすぎても看板すらでてこない。

ワハハハハハ・・・どないせ~ゆ~ねん!

いよいよ困ると、笑いが出てくるのは私だけでしょうか。

左手に砂利道がでてきたものの、キャンプ場はこちら!の看板は見当たらず。

・・・どう考えても、この道中、キャンプ場への看板が一つもないっておかしくないか?
(実は、この砂利道の先だったらしいのですが、看板があったのか、気づけなかったのか・・・。)

Googleマップの音声は、お稲荷さんの先の辺りで「入り口は左です」なんて言うし。(コワいやん!)

う~ん。これは、諦めよう。

Googleさん、日本には「急がば回れ」という言葉があり、最短コースが一番良い道とは限らないのです。
サルじゃないんだから、さすがに山の斜面を登っては行けませぬ。

・・・仕方ない。もう長湯町内の、どこぞで食べよう。

ジプシースマイルでしっかり食べるつもりだったので、
今回も夕食はおつまみ程度しか仕入れていなかったのです。

(後々、天空の杜の公式サイトを確認するとおススメの別ルートがありました~。
とはいえ、できたら丸山公園側にも看板置いてほしいところです。私みたいな者のために・・・。


とりあえず、道の駅ながゆに車を停めて、ウロウロするも当てが外れ。

川端家
いつもより早めの閉店となった、川端家さん。「お客様各位」の引導を渡されました。・・・トホホ。

大丸旅館の壁
がっくりしながらも、大丸旅館の壁に開高健さんの一言を見つけ、「お~」と言いながら写真を撮る。
こんな感じカッコいいなぁ~。原田の親方に頼んで、誰かこんな感じで作らないかしら、と思う。座右の銘とか、好きな言葉で。

結局、道の駅近くのラーメン屋さんに。

「・・・しまった!レジで言えば、万象の湯の割引券をもらえたのに!」
(系列店が同じらしく、そのラーメン屋さんで食事をすれば、大浴場\500が\200割引きになります。)


以前、万象の湯に行った折に、混んでいてゆっくりできなかったので、
今回は、翌日にでも開店早々行ってみようかと思っていたのです。

このところ、「支払う時、レジで言おう」みたいに、
少し間が空くと、忘れていることが多い。

忘れてた!と思い出せれば、セーフらしいのですが、
老いを実感することも増えました。
(先日、膝の水まで抜くことに。「溜まるようなトシでもないのにね~」とお医者さんに言われました。)

人生の折り返しというけれど、50を過ぎると
あと50年も生きている確率って、正直少ない。

しかも、老いていくということは、可能性の塊だった赤ん坊というスタート地点ではなく
いのちのお終いの地点に、だんだん近づいていくわけです。
あたりまえだけど、折り返し地点までの10年と、折り返し後の10年は、
性質が全く異なるはずで、

出来ていたことができなくなり、
少しずつ何かを、手放していく。

そういったことも増えるんだろうと思います。

こうして、またたびに出て右往左往していることすら、
いつかは手放すことになるのかな。

私は、まだまだ見たいもの、知りたいものがたくさんあって、
できたら、その面白さを誰かに伝えたい。

「生きていれば色々あるけど、そんなに世の中捨てたもんじゃないよ」という何かを
掘り起こしていきたい。


などなど、などなど、そう言い訳して、次回いよいよBBC「花袋」!
美建築が、ようやくでてきます!

お楽しみに。
(つづく)
(今回は、連日続けて記事を上げます。)

またたびチャンス!②

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


前回の記事

さて、(良い返事もあまり期待できなかったのですが)カフェからの返信を待つ間、
ここから10分ほどで着く七里田温泉に行くことにしました。

日本一の炭酸泉で有名な長湯をして、さらにそれを上回るラムネっぷりだという【下ん湯】に一度入ってみたかったのです。

車で長湯ダムから10分ほどですが、七里田温泉は住所で言うと久住町。
久住高原と長湯の間にある、木の葉の湯を目指します。

七里田温泉

木の葉の湯の受付にある券売機で、下ん湯の券を購入します。
(下ん湯だけだと、大人\800。木の葉の湯[\400]と共通券あり。こちらはセットで\1000。)

共通券に心惹かれますが、温泉をハシゴできる体力と時間も怪しいので、下ん湯の分だけ購入します。

受付で券を出すと、代わりに、番号付きの下ん湯のカギを預かります。
カギの保証料として、その場で¥1000を預けて、
返却時に返金してもらうシステムです。

受付のおじさんに、「・・・混んでます?」と聞くと、
にや~と笑って、

「全然!今、貸し切りですよ!」と笑顔で返される。

「え~!ホントに?・・・奇跡や‼ 笑」

「ここから、こっちの方に行って、ポストを曲がって・・・10分行かない所にあるので、
カギを開けて。

中に入ったら、また内側からカギをかけてくださいね。

今から1時間なんで、(歩いてかかる分の時間を入れずに)●時〇分までに受付に戻ってきてください。」

教えてもらった、至極ローカルな道のりをてくてくと行くと、
川沿いの急な坂の下に、下ん湯のリニューアルされた新しい建物が見えます。

七里田温泉・下ん湯

2016年の熊本地震の際の被害で、一時湯量が心配された下ん湯ですが
2023年7月にリニューアル。

ヒノキの木の香がただよう、真新しいキレイな建物。

左手には足湯もあります。

七里田温泉・下ん湯
(足湯はタダなんでしょうか。下から下からラムネの泡が・・・。なんかもったいない~。)

七里田温泉・下ん湯

借りたカギで、ドアを開けます。

多分、一度に入れる人数分番号があるのかなと思いますが、
受付でこの①を受け取った方は、今のところ一人ってことですね。

そういう意味で、ミラクルなナンバー①。ガッツポーズものです。

七里田温泉・下ん湯

脱衣場も(一人なんで)広く、清潔です。

七里田温泉・下ん湯

1人だったので、中も撮りました。

炭酸ガスが出るので、換気のため窓は開いています。

七里田温泉・下ん湯

一瞬、手を入れてみただけでは、ぷくぷくと泡を感じる程度なのですが、
全身浸かってみること数分。

長湯のラムネ温泉のように、ウロコのような泡が全身をびっしり。

長湯のラムネ温泉では、はっきりウロコ状になるのは、露天風呂の方。ほぼ水のように感じる低温です。
こちらは、(5月の下旬で)苦にならず浸かっていられる温度。
ほんのり温かい。

ラムネの湯って、高温だと泡があまり出ないんじゃなかったっけ??

こちらは、お湯の表面を跳ねるしぶきもすごいのです。
ピンピン跳ねて、顔に当たる。

スプライトをコップに注ぐとき、跳ねてくるあの感じです。

さらに、手のひらを下向きにして、アメンボのように水面すれすれにかざしてみると、手の裏がバチバチする。

・・・これってもはや、ラムネというより、強炭酸!

そう、ラムネを通り越して、ウィルキンソンの湯に浸かっている感じ!

いや~、おもろいわ~。

ぬるめなので、浸かっていても全く苦にならない。
というか、出たくない。

しばらく浸かっていると、自分の皮膚の下で、心臓の鼓動に合わせて、
ポンプで送られている血の流れが、指の先まで通うのが実感できます。

私は冬場にしもやけがひどく、指先はレジの人にビックリされるぐらい冷たいのですが、
その血の巡りの悪い私の血管に、自分でもわかるほど血が通っている!

いつも温泉に行っても、高温で、表面の方から温まるので、無理に浸かっていると、のぼせ気味になります。

なのに、ぬるい温度で炭酸の湯に浸かっていると、気持ちの良いまま、自覚できるくらい血行が良くなるのが分かる!

これは、スゴイ。

上がりたくないほど快適ですが、そろそろ戻らねばなりません。

というか、結局貸し切りだった・・・。なんちゅう、ラッキー。

お昼ご飯を食べ損ねて、たまたまランチタイムだったから、人がいなかったのかは分かりませんが、

お湯に関しては、超絶ラッキーだったと言えます。


ふと見ると、ジプシースマイルから返信が。

「〇月〇日までお休みです」

・・・そっか~。

お湯に関してはツキまくっていましたが、食いはぐれてしまいました。
(あてにしていた、コーヒー豆もダメってことで。)

チェックインまで1時間半ほど。

あるちゃある。ないちゃない。微妙な時間です。

慎重に選ばないと。

さてどうする?

(つづく)
(今回は、連日続けて記事を上げます。)

またたびチャンス!①

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


4月に社会人デビューしたはずの次男坊が、
5月にハローワークに通うようになり、その月末。
(命にかかわる理由だったので、根性でガンバレとは言えず。まぁ、生きていれば色々あります。)

2回目に受けた会社から、内定をいただき、
「じゃ、来月からね!」と言われた模様。

ん?じゃ、何日か家にこのまま居るんかな?

その時、すでに私の頭にはある場所が浮かんでいたのです。

行くなら今じゃないか? もしかして、行くなら今じゃないか?

そう!その場所とは、ぜひもう一度行ってみたいと思っていた、BBC長湯です!

残念ながら、愛しの山頭火(という、建物)は、ず~っと予約が埋まっていたのですが、
BBC長湯山頭火外観

花袋(という、建物)なら、空きがありました。

とはいえ、言い出しにくい・・・。

昨年長湯に行った折、忘れ物したりと散々やらかしたことも記憶に新しい。

後日、何かの占いに、その当日が【危】の日だったのを知って大笑いしたので
行ける日にちを試しに見てみました。

【万事うまくいかない】と出て、笑うしかありません。

そうか~、言い出しにくいし、万事うまくいかないって出ちゃね~。

そう諦めようとしたのです。何回も。つべこべ、行かない理由をあげて。
そりゃもう、つべこべ、つべこべ。

でもな~。今までだって、どんなに真面目にやっても、
そこまで他人にも家族にも、気にされたことはない。

自分がどんなに尽くしたつもりでも、きっと最期(後じゃなくて、期)には
「ごくろうさん」程度でしかないんだろうと思う。
(諦め続ける代償として、「ごくろうさん」って、どうなんだろう?と考えたのです。)

しかも、【万事うまくいかない】って。

そもそも、わが人生、【万事うまく】なんていってないぞ?
(ということは、【いつものこと】なんじゃないか?)

波風の経たぬ「こうすべき」という無難な選択を、自らに言い聞かせるために

つべこべ、つべこべ言い訳を繰り返すうち、
どんどんどんどん、目が死んだ中年になっていく。

(こちらの意に反して)悪く言われるのなんて、いつものことじゃないか。

で、意を決して、「行ってきてもいいか?」と打診してみたのです。

「ん~?○○(←次男坊)もおるんやし、行けば?」

「ちょ、ちょっと予約見てみる」

取れた~‼‼‼‼‼‼‼

取れてめちゃめちゃ嬉しいんだから、やっぱり行きたかったんだと思います。
(自分にウソをつくと、やっぱり気が落ちるんですね。シュ~ンって、元気がなくなる。気(ケ)が枯れる。ケガレてくるってことでしょうか。)


そうこうして、無事、【万事うまくいかない】はずの旅に出ることになりました。

今回は、もう何十回も確認して、忘れ物はなし!

前回は右往左往してできなかった、ゆっくり長湯を散歩する旅とすることにしました。
(前回は、美建築を言い訳に記事を書きましたが、今回は建築少なめです。工務店のブログなのにすみません。)


途中、喉が渇いて立ち寄った「水の駅・おづる」

水の駅おづる

湧水茶屋などが併設されていて、水を汲みにたくさんの車が停まっています。

水の駅おづる

水汲み場の付近は、こんこんと水が湧き出して
ひんやりとマイナスイオンたっぷり。

水の駅おづる

キレ~!なんちゅう透明感!

空の容器を持っていなかったので、手酌で失礼して・・・。
美味っしぃ~!

まろやかで、クセのない、いいお水です。

奥には、おおもととなる神社の神水が。

水の駅おづる
水の駅おづる

これまた、音をたてて湧き出していたのでした。
(なんでも、毎分4~5トン湧き出しているそうです。今度?は、空の容器を持って来よう。)


水をいただいて、さて長湯まで15分ほどでしょうか。

とりあえずお昼は、昨年同様、ジプシースマイルさんに行くことに。

せっかくなので、美味しかったデカフェのコーヒー豆も仕入れましょう。

ジプシースマイル

開店時間も過ぎたころ、無事現地へ。

ところが、オーナーの車?はあるものの、人の気配がしない。
営業中の時間、曜日のはずなのに、【Clause】の文字が。

?????

とりあえず、チャットで「お休みですか?」と入れてみるも
早々に返事もあるはずなく。

仕方ないから、ちょっと行った先にある
七里田温泉に先に行ってみることにしました。

(つづく)
(今回は、連日続けて記事を上げます。)