(た)がために

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


こだわりの○○。
△△にこだわった。

そう書くと、ちょっと特別感がでるし
「他とはちょっと違うんですよ」をにおわせることもできる。

へそ曲がりな私は、この言葉があまり好きではなく、
ナントカ他に言いようがないものかと考えてしまう。

なんかちょっとドヤ感というか、
威圧的な感じがしてモヤモヤするのです。

さらにへそ曲がりなことを言わせてもらえば、
こだわりの料理が、必ずしも好みとは限らない。

接客時に嫌な思いをすれば、
例えどんなに美味しくても
二度とその店に行きたいとは思わないでしょう。

つまり、作り手が
どんなに「こだわり」を売りにしても

それを「買ってよかった」と感じるかは

相手の受けた印象と
評価に委ねられるもの。

「こだわって」「頑張って作った」が
必ずしも、高評価につながらない厳しさがあります。


「こだわり」という言葉の意味を調べると
(ざっくりですが)

①ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちが囚われる。
②妥協せず、とことん追求する
③つかえたり、ひっかかったりする
④ケチをつける

といったところ。

②は近年になって使われることが多くなったようです。


前回、コスパと、お買い得と、目線の違いという記事を書きました。

家を建てるのに、まず安さ優先で考えるか
そもそも家づくりや暮らし方に、憧れや夢があるかで

見に行く先が違うというようなお話をさせてもらいました。


思い入れがあるから、
少しでも、叶えてくれるところを
探している。

しかも、勘違いしてはいけないのは

お客さんは、

「作り手がこだわる家」が建てたいんじゃなくて

「自分たちがこだわった家」が建てたいという点。


湯水のようにお金がなければ
妥協しないといけないこともあるでしょう。

大事なのは、
その残念さに、作り手がどう向き合ったか。

それで、その印象は全く違うと思います。

「は?そりゃ、(金)出せるなら
してやるよ?」感満載だったら

夢や憧れがあった分だけ、
ショックも大きい。


初対面で、そういう態度を取られることは論外ですが、

慣れてきても、態度が変わることなく

威圧感がないか。(客を「素人」「分かってない人」扱いしない)
なんでも相談がしやすいか。(くだらないことでも聞きやすいか。馬鹿にしないか。)
その余裕が相手にありそうか。(特に心の余裕。イライラして豹変しないか。)

は、家を見るのと同じくらい大事かもしれません。

金銭的に余裕がないこと。
建築知識がないこと。

(そこに何故か引け目を感じて。←それでも大金を払うのに!)なんとなく
(「こっちにしとけば?」「いつかにすれば?」の)おススメされるがままに家を建てて

飲み込んできた言葉が多いと
いざ何かあった時、爆発しかねない。
(不満ほどじゃなくても、当初思い描いていたのと違う残念さ。
もちろん善意でのアドバイスであるけれど、結局自分たちには叶えられなかったという無力感。)


かっこいいことばかり言う男が
かっこいいこと言いながら逃げていくように(何の話?)

いざ「あれ?言ってたことと違うけど?」となっても
責任どころか、
心底謝ってももらえないなんて、良くあることです。
(金額が大きいほど、謝ったらアウトなの?)

プロだろうが、素人だろうが、
同じ目線に立って
一緒に考えてくれそうか。
その余裕があるか。

料理屋さんは一度きりでも、
家は違う。

自分たち(←作り手)の「こだわり」以上に

お客側にも「こだわり」や「夢」があることに
寄り添ってもらえるか。

それが結局は、
作り手へのYesにつながるんじゃないかと思います。

余裕って、大事だ。

いっぱいいっぱいにしないことは、

他人のためでも
自分のためでもある・・・ような気がします。

【Q&A】無垢材だと掃除やお手入れが大変じゃないですか?

こんにちは、もくせい工舎です。

家事や仕事に忙しい毎日。
せっかく自然素材の家に住めたとしても「掃除やお手入れが大変だったらどうしよう...」と心配になる方も多いようです。

もくせい工舎の代表・永家の住まいも無垢材と漆喰の家ですが、住み始めて20数年続けている掃除方法は、モップ(薬剤のついていない)で床をスィーっと拭いて、まとめたゴミを掃除機で吸い取るだけ。

汚れが気になるときは、水拭きで十分。
一般的な掃除の仕方と変わりませんし、特別な道具や洗剤なども必要ありません。

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「ワックスをかけないとシミや汚れが目立ちませんか?」というご質問もよくお聞きします。
もちろん、全く汚れやシミが残らないとは言い切れません。
汚れを付きにくくするために、施工の最後に植物性のオイルをかけていますので、ケチャップなどの汚れがついてしまった場合は、時間を置かずに拭き取ればシミにはなりません。

木の材質によって洗剤やヘアスプレーなどでシミができてしまっても、酢で拭けばちゃんと取れます。


無垢の木は、人が暮らすことで自然な艶や深みが加わり、味わいが増していくのも魅力です。

自然素材と聞くと、掃除やお手入れも特別な方法が必要だと感じるかもしれませんが、実際はやってみると、簡単・シンプル・楽ちんですよ。

【Q&A】無塗装の木だとキズが目立ちませんか?

こんにちは、もくせい工舎です。

もくせい工舎は、無垢の木や漆喰といった自然素材にとことんこだわって家づくりをしています。
自然の素材から受ける恩恵に感謝し、その心地よさを皆さまと共有できるのが何よりのよろこびです。

お客さまから「無塗装の無垢材って傷がつきやすいと聞いたのですが...」といった質問をよくお聞きします。

実際、無塗装の無垢材は傷つきやすいです。
なぜなら、杉は空気を沢山含んでいて柔らかいので、何らかの衝撃を受けると傷がつきます。
しかし、柔らかさ故に肌触りがよく、あたたかく感じられます。

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しかし、表面的な傷であれば、水を含ませれば80%位は復元できますし、深く傷ついた場合は蒸気アイロンをあてることで、ある程度まで直すことができます。

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車や洋服など、ありとあらゆる既製品は、使うごとに必ず劣化していきます。
もちろん、自然素材の家も経年により風合いが変わっていきますが、それは「劣化」ではなく、「味わい」だと、OBさまはおっしゃいます。

本物の自然素材の家は、変化を楽しみながら暮らせる家です。
床や柱が重ねていく「味わい」と共に家族の思い出も刻まれていく。
そんな暮らし方も素敵だと思いませんか。

もくせい工舎は、なぜシンプルな家にこだわるのか。

こんにちは、もくせい工舎です。

個性的な家を手に入れようとして、形状にこだわり過ぎてしまうとどんどん予算がふくらんでしまいます。

間取りについては、生活動線を考えたうえで快適なレイアウトにすることが大切です。
もくせい工舎では、お客さまのご要望を踏まえ、暮らしやすさとコストの節約につながる間取りをご提案しています。

1つめは、極力廊下をつくらないこと。

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土地の形状や部屋数にもよりますが、レイアウトを工夫すれば廊下のない間取りも可能です。
居室スペースが広くなるだけでなく、動線が短くなったり、風が通りやすくなるなどのメリットがあります。

2つめは、家族共有のクローゼットをつくること。

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それぞれの居室にクローゼットを設ける必要がないので、スペースを節約できます。
家族全員の洋服を一箇所に集めることで、洗濯後の片付けがグッとラクに。

クローゼットの内部に家族それぞれのスペースを作っておけば、お子さんが成長した後も分離して使用できるでしょう。

本物の自然素材住宅を子育て世代も手が届く適正価格で提供するために、厳選して無駄を省く。
それが、もくせい工舎がシンプルな家にこだわる理由なのです。

厳選された標準仕様 ~ストレスフリーな洗面台~

こんにちは、もくせい工舎です。

歯ブラシをしたり、洗顔をしたり、手を洗ったり...。
家族が毎日使う洗面台は清潔にしておきたいもの。
蛇口のまわりがビシャビシャだったり、排水口に髪の毛が溜まっていたりしては、ストレスを感じてしまいますよね。

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もくせい工舎では、『LIXIL』の洗面化粧台を標準仕様としています。
使いやすさのポイントは洗面ボウルと水栓。
底が広くて大容量の「ひろびろボウル」と、使いたい位置にくるりと回せる「くるくる水栓」で、バケツの水汲みや衣類の付け置き洗いがスムーズです。
水栓を自在に動かせるので、2人並んでの身支度も可能です。

お掃除のネックになる排水口は、髪やゴミをキャッチしつつ、水を通しやすい形状になっています。
排水栓を外して、ゴミを捨てて、シュッとスポンジで拭くだけでお掃除が完了します。

洗練されたデザインは、機能美でもあります。
洗面台の使い方や収納など、ご家族の使い方に合わせた洗面化粧台をご提案します。
お客さまの夢やご希望にしっかりとお応えするのが、もくせい工舎の家づくりの信条です。

コスパと、お買い得と、目線の違い。

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


私は月の15,30日くらいに記事を書いていますが、
前回の竹田のひとり旅を
いつもより日にちを詰めて書きました。
前回記事はこちらになります。良かったらご覧ください。


美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 5

今回は、コスパのお話。

コスパが良い。とか
コスパ最高!とか
コスパ最強!とか。

よく聞きます。

改めて調べてみると
コスパとはコストパフォーマンス(cost performance)の略語。
費用対効果のことです。

払った費用(コスト)と、
それによって得られた能力(パフォーマンス)を比較して、
低い費用で高い効果が得られた場合、そう言うようです。

なんと人間関係においても使うこともあるらしい。
(なんだか、一気に世知辛い感じもしますが。)

払ったお金より、期待以上だった。

つまり「お!値段以上」だということみたい。
(↑どこかのCMでよく聞きますね!)

最近思うのは、このコスパやお買い得。
その価値観により
2つあるんじゃないかと思うのです。

例えば、
100均で買ったマグカップが、なかなか良くて
「これは、コスパ良かったなぁ」と思うことがあります。

一方で、
自分のお気に入りの陶器市に行って、
思ったより安く手に入った時も、
「お買い得だった~」とホクホクします。

同じ「安く」手に入れたにしても、
そこには買う前提として

【期待やこだわり、憧れ】があるかないか。

100均はとにかく【安さ】を期待して行くところです。

私もよく100均に行きます。
最近の100均って、なかなかお洒落で侮れない。
よくこんな値段で売れるなぁと思うので

そういった意味でも
コスパ天国だと言えます。

一方で、陶器市。
私は度々小石原の陶器市に行きました。

それは、小石原焼が【好き】だからです。

小石原焼に、【憧れ】があって
それがいつもより安く買えるから
陶器市に行きます。

つまり、何が言いたいかというと
まず【安さ】第一で、お値段以上だとラッキーなのか

【好き】や【憧れ】のものが元々あって
それを安く手に入れようとするか

それが100均に行くのと
陶器市に行くのの違いだと思います。

陶器市に行くのは、中間マージンがかからない
産直だから。
作り手の顔が見えることも魅力です。

それは、きっと家にも同じことが言えるんじゃないか。

家に対して、特に興味がなければ
安いことが一番でしょう。

その上で、おしゃれで機能的なら
コスパが良いことになります。

一方で、家や暮らしかたに対して
憧れや、こんな風に暮らしていきたい夢があると

良いものを安く手に入れたいと思います。

両者の違いは、家や暮らしに対する
興味や関心の「内容」の違い。
「目線」の違いです。

私は、実は元から自然素材の家に関心があったわけではありません。

たまたま広告を見て、興味を持って見学会に行ったら
その心地よさがとても大事になりました。

元々、木が好きだったので
どうせお金をだすなら
ここまで木に囲まれた家に住みたいと思いました。

それは、ほとんど【本能的に必要】だったのです。

その一方で、母からは

「安い建売がいくらでもあるのに。
塗装もしてない木とか、傷ばかりつくんじゃないか」
そう言われました。

これは、血がつながっていても
価値観まで同じじゃないので仕方がない。

しかし、住むのは私たちであって
母じゃない。
母の価値観を、鵜呑みにする必要はないのです。

これは、当然
お金を出してもらえば、
きっと口まで出されかねないぞ。

そう思って
(後で泣く羽目になっても)
口出しされるより、自由な、
金もいらぬ道を選びました。

母にとって実家は、「寝に帰る場所」で

「いつかいよいよ年取ったら
サッサと売って、マンションに行く」家でした。

家に執着やこだわりがないので、軽やかです。

母は、機能的で、無駄なことをしません。
私よりずっと生活力があり、賢い人です。

片や私は、「空間」や「居心地」にかなりこだわる。

家は「寝れさえすれば良い」以上に、
大事な「生きて暮らしていく場所」であり、

そのために
何よりも【居心地】が大事だったのです。

それは価値観の違い。

母は間違っていないし、悪くない。

ただ、(極端な例えですが)家を100均に見に行くか
産直で探すかの違い。

こうして、このブログを読んでいただいているということは
少なくとも「木の家」や「自然」「自然素材」に
関心のある方が多いかと思います。

価値観が違えば、
周囲に疑問符を投げられることも
あるかもしれません。

せっかく自分たちの家を建てるのに
何を一番大事にしたいか。

家を建てるとして

自分なら
安さ優先して、まず100均に行くか(実際に100均にあるわけじゃないけれど)

それとも
何某かの憧れや思入れがあって

思い入れに近いものを、できるだけ安く手に入れようとするか。

コスパとお買い得は
同じようで

実は、目線が違う。

何を大切に家を建てたいか。

その目線が大事かもしれない。

誰かの言うとおりにしても、
その誰かが、責任とってくれるわけじゃないんだもんなぁ。

自分で、責任おって
自分で、決めないと

後で、誰かのせいにはできないんだもんなぁ。

本当に、大事にしたいことは何か。

そんな、つぶやきに近い
お話でした。


厳選された標準仕様 ~ゆったり快適なバスルーム~

こんにちは、もくせい工舎です。

もくせい工舎の住宅設備は、信頼性が高い国内一流メーカーを使用しています。
浴室は、『LIXIL』の『リデアシリーズ』を標準仕様として固定し、コストカットを実現。
建物にメーターモジュールを採用していることにより、ゆったりとしたラウンドワイド浴槽をはじめ、一般的な浴室よりも洗い場が広く、お子さんと一緒に入浴しても窮屈に感じることなく過ごせます。

スイッチ1つでお湯はりも浴室との通話も可能です。

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浴室の床は、寒い冬場でも冷たさを感じにくい『キレイサーモフロア』を採用。
汚れにくい表面処理と溝の奥までスポンジが届きやすい形状でお掃除がラクラクです。

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髪の毛や皮脂汚れ、石鹸カスなどのゴミが溜まりやすく掃除の手間がかかる排水口。
汚れが溜まって流れが悪くなったり、掃除のときにヌメヌメして気持ち悪かったりといった悩みは『くるりんポイ排水口』が解決してくれます。

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独自構造により自然とゴミがまとまって、気になったらポイっと捨てるだけ。
気持ち良いほど簡単で、排水口掃除の概念を変えてくれる画期的な仕様です。

1日の疲れを癒す浴室。
くつろげるデザインであることはもちろん、毎日使う場所だからこそ掃除のしやすさも大切なポイントです。
もっともっと浴室にこだわりたい!という方は、オプションでテレビを付けたりもできます。

身体を清潔にするだけでなく、心を癒してストレスを緩和してくれる浴室は家の中で日常的に癒しを得られる大切な場所です。

厳選された標準仕様 ~自然素材に似合うキッチン~

こんにちは、もくせい工舎です。

もくせい工舎の家は無垢の木や漆喰といった本物の自然素材でできています。
だからこそ、ギラギラ、テカテカした素材のキッチンよりもナチュラルな風合いのものがよく似合うと思うのです。

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もくせい工舎では、ニュージーランドに「ウッドワンの森」をつくり、木を育てている『WOODONE』(ウッドワン)のキッチンを標準仕様としています。
『WOODONE』は「自分たちで使う木は自分たちで育てる」をコンセプトにした建材メーカーです。
毎日欠かさず使う場所なので、使い勝手や安全性も重要です。

無垢材を使った温かみのあるデザインで、「造作キッチンに見える」と好評。
豊富なラインナップがあり、対面キッチンやアイランドキッチンなど要望に応じてお選びいただけます。

また、IHヒーターを標準仕様としているので、万が一の地震やコンロ火災などにも安心で、お手入れもラクラク。
収納ユニットを使い方や用途に応じて組み換えることで、多彩なレイアウトが可能です。

2-2.png

もくせい工舎では、『WOODONE』を標準仕様として固定することで、通常よりお得な価格でご提供できます。

家本体にこだわるだけでなく、便利で快適な設備にもこだわる。
そのバランスがもくせい工舎の"木々ちいい家"だと思っています。

美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 5

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん

美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 1
美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 2
美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 3
美建築ぶらり。竹田ひとり旅 その 4

続きでございます。

チェックアウトしてしまったので
車で行きましたが、
実際は、お散歩でも行けるような距離に、ラムネ温泉はあります。

202304_ラムネ温泉外観

のどかな温泉街の川沿いを行けば
これに出くわすんですから、
知らなかったらビックリしそうです。

建築は、藤森照信氏。
そして可愛いキャラクターは、南伸坊氏。

南伸坊氏といえば、おにぎりのようなお顔立ちの
イラストレーター。(←どういう覚え方?)

実は、藤森照信氏をちゃんと存じ上げず。

後で色々調べているうちに、
藤森照信氏と、宮崎駿監督のつながりを知るのです。

建築家・藤森照信さんと、宮崎駿監督。
(↑氏が、言いづらいので"さん"と失礼して書きかえます。)


あれ?私何かで、その組み合わせを見たことがあるぞ?

それもそのはず、私が武雄図書館内のTSUTAYAで購入した
『ジブリの立体建造物展 図録<復刻版>』に対談記事が
きっちり載っていたのです。
(見てたのに忘れてる。インプットしただけだと埋もれる良い例。)

藤森照信さんと宮崎駿監督。
藤森照信さんと、長湯温泉。

情報として、ただの点だったところが、
すごい勢いで線になったような感覚!

ラムネ温泉に、どうしてそんな錚々たる顔ぶれが関係しているのかは
「ラムネ温泉」の公式サイトのストーリーをご覧ください。
(勝手にリンクを貼れないので、スミマセン。)

試しに「藤森照信 建築」で検索して頂ければ
どんな建物を建てられた方かお分かりいただけると思います。

空飛ぶ泥船(茅野市美術館・仮設の茶室)や、
草屋根が圧巻のラ コリーナ近江八幡(菓子製造販売・たねやグループ)
丘の芝が屋根まで続いているようなねむの木こども美術館(静岡県掛川市)

その他色々、「あ~、もう可愛い‼‼」

どれも木や土や、緑を感じさせる
素朴で、自然で、有機的で、楽しい建物ばかり。

藤森照信さんの建てる作品に
宮崎駿監督や、養老孟司先生(養老昆虫館)
心惹かれたのも頷ける話です。

そして、同じようにそれにツボッた(?)のが
何を隠そう元竹田市長(合併後の竹田市2~5代。2021年退任)の首藤勝次さん。

大丸旅館グループの5代目経営者でもある首藤さん。
(↑氏が、言いづらいので"さん"と失礼して。)

ある日、河原で炭酸泉を見つけたそう。
(そんな日本昔話のようなことがあるのかしら?と思ってしまいますが、
それこそが氏の座右の銘の【有由有縁】なんでしょうか。驚きです。)

炭酸泉は温度が高くなると、気泡が少なくなるようで
熱めのお湯が好まれる中、魅力を感じる人は地元でも少なかったのだとか。

ところが、首藤さん。
試しに無人で仮浴場をつくって、100円で解放したら
これが大人気。
(返す返すも、ホントに昔話みたいな展開。)

ちゃんとした建物をつくるべく、色々探していたら
知り合いの静岡県議会議員に教えられたのが
藤森照信さんの「浜松市秋野不矩美術館」。

すっかり気に入って、設計を依頼したのだとか。

藤森照信さんも、最初は「河原に温泉?僕がやるの?」と思っていたようですが
実際にご本人に会ってみると、観光カリスマ(←国土交通省選定)で、
長湯に象設計集団(!)に依頼して【御前湯】を建てていた経緯もあって
その温泉に対する熱意に動かされた等のいきさつがあったようです。
(これまでの話、『藤森照信 読本』etcからかいつまんで書いております。微妙な差異あればスミマセン。)

そうして、小さな温泉街にできた藤森建築がこちら!

202304_ラムネ温泉の待合美術館棟を見る
受付のある待合兼美術館棟。焼杉の黒と、漆喰の白が地味で派手な、忘れられない外観

202304_ラムネ温泉棟と家族湯棟
左奥に共同浴場棟と、真ん中に家族湯棟。オカメザサの植栽の通路を通っていく。

202304_ラムネ温泉の屋根の松の木
各棟のとんがり屋根には松の木!これもあると無いとで雰囲気が全く違う。遊び心がニョッキリ生え出ている。

202304_待合棟から共同浴場を見る
待合兼美術館から中庭、共同浴場を見る。夢の中にいるような不思議な光景。

202304_中庭の犬の像
やたらめったらカッコいい犬の像。ダンディー。

ここで猫好きの皆様に朗報です。

実はこのラムネ温泉。数匹の猫さんが住んでいる。

そのうちの一匹。
入り口付近で会ったのですが、知らん顔。
「観光客なんか、ぎょうさん来るのにイチイチ相手しとられんわ~」
そんな感じで、完全スルー。

あら、さみしい。

仕方ない。猫好きは、つれない猫さんには深追いしないのが礼儀です。

ところが、写真を撮っていると何か視線を感じる。

ありゃ。さっきのコ。

202304_あけてという猫

どうも、開けてくれと言っている。

開けると、クールにさっさと行ってしまいました。

202304_ラムネ温泉の猫藪の中を伺う
藪の中から物音が。捜査一課の猫さん、張り込みをすることに決めたようです。

共同浴場内は、さすがに撮影できなかったのですが、
脱衣場から浴場に入るのに、かなり低い入り口となっています。

藤森照信さんの本によると、配置とか外観はすんなり決まったのだとか。
ただ、内部がなかなか決まらない。参考にできるような空間体験がないという。

そこで参考になったのが首藤さんのこどもの頃の話。

なんでも、ラムネ温泉に入る時、
炭酸ガス中毒を防ぐため、ローソクをもって入ったらしい。
ローソクの火が消えると風呂から出るようにしていた。
その暗がりの中灯るローソクの灯りが懐かしい、と。

狭い空間、火、湯気=まさに茶室じゃん!

実際に入浴と茶事が一緒になったことは歴史的にもあったので、
イメージが固まったとのこと。

したがって、共同浴場は茶室のような低い入り口と、
中には小さな暖炉もある構造に。

たしかに、低い入り口には別世界に入り込むような心地がしました。

外界とは一線を画して、ひっそり隠れるような感じ。

実際に暖炉に火がくべられていたわけではありませんが、
(あぁ、あの小さな窪んだ空間はそのためのものだったか)と認識します。

内湯が42度、外湯が32度とのことですが、
気温の影響もあってか、内湯もぬるめな印象。
B・B・Cに泊まった際、その日のお風呂を、テイの湯に行くか、ラムネ温泉に行くか迷ったのですが
ラムネ温泉には体を洗うスペース等もないので、洗髪のことを考えればテイの湯で正解でした。

ちょっと外湯もいきなりは冷たそうだったので、サウナに。

ところが、入れども入れども、全く汗をかけない私。
持っていたロッカーのカギに触れると
「・・・ッアッチ!」

これはマズイ。汗はともかく、出ないと干物になっちゃう。

干からびかけた状態で、外湯へ。

はぁ~。気持ちがええ!

小さな銀色の泡が、後から後から体に着きます。

払っても払っても、ウロコのようにびっしり。

快晴の真っ青な空と、芝生に立つ、銀色のひまわりのオブジェ
ぷくぷくのラムネの湯。

爽快な心地よさ。

202304_家族湯棟

良い建物、良いお風呂でした!

せっかくなので、美術館棟も覘くことに。

大丸旅館は多くの文化人とつながりも深く、川端康成をはじめ
多くの交流を感じさせる資料がありました。

その一角に置かれた、段ボール。

202304_段ボール


近寄ってみると

202304_段ボールで昼寝
そんなとこ入ってたら、-18度でクロネコさんに運ばれかねんよ?

睡眠業務真っ最中のにゃんこさん。

温泉棟に比べ、人通りも少なく静かで快適。

あまり可愛くて、頭をなでると、ゴロゴロと喉を鳴らしてくれました。


竹田市の人口は2万人ほど。県北の中津市の4分の1くらいの人口です。

それでも、その人口に対して錚々たる建築家の作品が見られる点では
美建築密度がめちゃ高いとも言えます。
こちらは、首藤勝次さんのホームページにて、PDFで竹田と建築のことが詳しく書かれておりますので、興味のある方はご覧ください。

長湯だけでも、他にも

202304_クアパーク長湯外観

クアパーク長湯。設計は世界的建築家、坂茂さん。

東日本大震災の時、紙の筒と布で避難所のプライバシーを確保した話は有名です。

202304_クアパーク長湯外観

1Fが水着で入れるバーデゾーンと50mの歩行浴と温泉プール。
2Fに温泉、他にレストランや宿泊施設も備えた複合施設で

周りの自然に溶け込むように
木をふんだんに使って設計させています。

もう一つ。
私が長湯に関心を持ったのがここ。

202304_御前湯・玄関付近

御前湯です。

202304_御前湯・芹川沿い

こちらは象設計集団の作品。

今はなき、私の大好きだった由布院美術館の建物を設計をしたのも
象設計集団でした。

由布院美術館
象設計集団の由布院美術館。今は取り壊されて観ることができない。

由布院美術館に関しては、昔書いた記事がありますので、良かったら。
なんと、もう10年近く前の記事ですが・・・。

由布院美術館のことを書いた記事→「自由設計とかけて、焼肉バイキングと、とく?」
題名からは想像つきませんが、書いております↑


あ~。
とても、一泊二日じゃ見て回れなかった。(余計なロスもありましたし。)

今度はぜひとも長期滞在は無理でも、2,3泊して
住んだような気持ちで、じっくり色々見て回りたい。

こうして書いている間も、私はなんだか無性に長湯に帰りたいのです。

首藤勝次さんのホームページに
【有由有縁】という言葉がありました。

川端康成の言葉らしいのですが、
理由があって、今の縁があって、それを大事にしていく。

私から見れば、首藤さんが河原でラムネの湯を見つけて、
それが藤森照信さんの建築につながっていくのは

水底から、キラキラ光る水面に
キラキラ光る魚が泳いでいるのを見ているような。

まぶしくて、まぶしくて、
とても手が届かなくて、
憧れの夢のような世界。

そんな風に、熱量と想像力を持って
上下の差もなく
共感しあう仲間と
ワクワクしながら
ものづくりができる楽しさは
うらやましくて、キラキラ。

またいつか、そのキラキラに会いに
長湯に行きたいと思います。

点と点が、線になって何かにつながるように
私のワクワクが、次の何かにつながりますように。

おばちゃんの美建築をめぐる竹田ひとり旅。
今回はこれにて、おしまい。

もくせい工舎は、ZEHビルダーに認定登録されています。

こんにちは、もくせい工舎です。

ZEHとは、ゼロ・エネルギー・ハウスの略称。
住宅の断熱性と省エネ性能を向上させ、太陽光発電などによって、年間のエネルギー消費量を差し引きゼロ以下にした住まいのことをいいます。

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建物自体の省エネ性能が高いだけでなく、快適で地球にもお財布にも優しいZEH住宅。2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標が制定されました。
そんなこれからの家づくりに必須ともいえるZEHを建てるプロとして、国から認定を受けているのが「ZEHビルダー」なのです。

ZEHビルダーとして、認定された工務店やハウスメーカーで家を建てると、各種補助金を受けることができます。
補助金の金額は、制度や年によって異なりますが、いずれのケースにおいても、100万円以上と決して少額ではありません。
そのため、費用面から考えても、ZEHビルダーを選ぶことは賢い選択といえるでしょう。

もくせい工舎は、ZEHビルダーとして認定されています。
自然素材にこだわった家づくりで、ZEH基準をクリアできるのは、標準仕様の断熱性能が高いからです。
莫大な費用の追加がなくても、太陽光発電の搭載でZEHの家を建てられます。

※太陽光発電搭載はLIXILの『建て得』を利用すれば実質0円で導入できます。
まずはお気軽にご相談ください。