家にも自助力

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


「10年に一度級」の寒波が、直撃した先週。

皆さま、大丈夫でしたか?

202301_雪と南天

1/24の午後から、急にあれよあれよと積もりだして
あっという間に雪景色。

ウチの長男の車は
遊園地のコーヒーカップの乗り物のように
ツーっと一回転したらしく
「相手がおらんで良かった~」と胸をなでおろしておりました。

202301_雪とハトヤバラ

その前に数日続いた暖かい日に、
春と勘違いしたハトヤバラも、かわいそうなことになっていました。


「夏涼しく、冬暖かい。」

住宅メーカーの広告によく出てくる言葉ですが
「ワンランク上の家づくり」同様、
何を基準にしてかはよく分かりません。

少なくともそれが
電力に頼っての涼しさ暖かさなら
何らかの理由で停電してしまえば
あまりアテにはできない気もします。

その点で、家の断熱性能が高いことは
いざという時「しのぐ」一助にはなりそうです。

もくせい工舎ではリフォームも行っていますが
その際、新築同様
壁には羊毛入りの断熱材を、しっかり敷き詰めます。

見た目だけでなく、「守る力」が増します。

家の快適を維持するのに、なるべく少ないエネルギーですむように

しのいだり、守ったりする家の【自助力】は
きっと大事になってくるのではないかと思います。

時々、大学時代に先生がおっしゃっていたことを
思い出します。
(なにせ数十年前なので、うろ覚えですが)

昔の庶民の家は
1つの部屋が
居間になったり、ダイニングになったり、
寝室になったり。

そこに、こたつや火鉢といった
局所暖房ひとつあれば
家族みんなが温かいわけでしょ?

今みたいに
それぞれが個室にこもって
それぞれの部屋全体を暖めようとしたら
いくらエネルギーがあっても足りない。

日本の暮らしには
局所暖房が一番理に適っていると思います。

・・・とかなんとか言っておられたような。

エアコンで空気全体をウンウン暖めようとするより
こたつの方がダイレクトに暖かい。

断熱性能の良い家で
あまりエネルギーを使わずにすんで
みんなでこたつにでも入りながら
まったりするのは

おさいふにも
環境にも

ついでに家内安全にも
良さそうであります。

いざという時も
そうでない時も

自分で自分を守る
自助力の高さは

家にとっても
人にとっても
御守りみたいなものかもしれません。

おやかたのやかた

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、年明け最初の撮影に
先日伺いました。

向かったのは、日田の原田左研さん。
もくせい工舎のお家の壁を手がける職人さんの所です。

実は、今度のお施主様は
原田親方、その人なのでした。

あの原田の親方が、自分の手で手掛ける我が家。

きっとひっくり返るような大豪邸で、
どこかの料亭とか、高級旅館のような内装に違いない!

ついつい、勝手にすごい妄想をしてしまいます。

鼻息荒く、10年ぶりくらいに訪れる原田左研。

出迎えたのはこちら。

2023_原田の親方新築外観

・・・あれ?
サイズ的にはいつものもくせい工舎のお家の感じ。
(親方の感覚が至極全うだっただけで、原因は、私の勝手な妄想が暴走してたからです。失礼しました。)

でも、でも!
よ~く見ると、やっぱりちょっと違う!

それはそれは、細かく違うんです!
細かく、ひっそり美しいんです!

例えば軒天!

親方の家の軒天

・・・裏まで美しい。

あと、細かくはここ!

原田親方新築・柱の基礎
(・・・ここ、名称なんて言うんだろう(^-^;)

丸くて黒くて、ぽってりして可愛い。

美は細部に宿るといいますが
ちょっとした遊び心を見つけるのは楽しく嬉しい。

さて、そのお家の中身ですが

原田親方新築・玄関

わ~!なんだこれは~!すご~い!

圧巻の土の色味!

ひんやりとも違う、温かい清々しさ!
空気が綺麗なのがすぐ分かります。

この温かな色味の中にいると、
あなぐらに入ったかのような安心感があるから不思議です。

原田親方新築・玄関ホール

芸術的。

ステンドグラスの建具を開けるとリビング。

原田親方新築・リビング

稲わらを入れた漆喰が、本当に優しくいい感じ!

光と影の陰影や凹凸が、とても見ていて落ち着きます。

原田親方新築・リビングの建具

大窪建具さんも、力入ってます!

あの人は好いものをつくるだろうから、
それに合うものをつくりたい!

職人さん達の思いの
相乗効果なんでしょうか。すごく似合います。

原田親方新築・キッチン

見てください。キッチンの横の壁。
すごく渋くて、良い色です。

思わず親方に「良いな~ずるいな~」と言ってしまいました。

湯布院かどこかの高級旅館のフロントみたい。
味があって、品があって、なのに優しく温かい。

いいなぁ~。

あと、トイレも一味違う!

原田親方新築・トイレ

いつもなら、松葉引きの漆喰の下部は
腰板なのですが

原田親方新築・トイレ壁

可愛いタイルの下部は
ツルツルの漆喰。

原田左研のサイトに泥団子のことが載っているのですが
漆喰を磨くとテカテカ鏡のようにツルツルになるそうなんです。

「・・・これ、泥団子のつくり方ですか?」

「うん。もっとピカピカになるよ。」

すご~い!を通り越して
もう、羨ましい。

ピカピカにすればよかったと思ってしまう。

実は撮影中、親方のお友達もいらっしゃって
一緒に話を伺っていたのですが
その方も感心しきりでした。

やっぱりよく見る新建材の家とは違いますし、
さらに親方自身のお家なので、
もくせい工舎のお家を見慣れている私にとっても
新鮮で斬新なのでした。

そのお友達の方と話をしていて
「玄関に入っても、新築特有の臭い、しないですよね」
っていうと

「・・・本当だ‼」と改めてビックリされていました。

化学薬品臭くないのです。

いやはや、本当はもっとお見せしたいのですが
今回はここまで。

いずれ施工事例として、きちんとご報告いたします。

日田なので、特に見学会もなかったのですが
本当に圧巻の【土の家】。

原田親方新築・壁

親方のご家族への思いと、
職人魂を感じるお家でした。