家はいずれ、ゴミになる

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


11/26、オーストラリアの山火事から救出されたコアラが

安楽死したというニュースが流れました。


動画には、燃え盛る炎の中、毛が焼け縮れ、

混乱したように、火の中へ向かおうとするコアラを

必死で救助する女性の姿がありました。


恐怖と、やけどのためか、叫び続けるコアラに

女性は、ペットボトルの水をかけ、自らの服を脱いで

体をくるんであげていました。


コアラが鳴く、という印象があまりなかったのもあって、

その叫び声は悲痛で、胸が押しつぶされそうになりました。


安楽死は、やっぱり残念ですが

どんなに偉そうなことを言っても

私にはそのコアラの痛みや苦しみを

引き受けてやることすらできません。

無責任なきれいごとは言えません。


今回のような山火事も、地球温暖化の影響といいます。


知識のない私がここで書けることってないのですが

ふと思い出したことがありました。


数年前、何かで見た「くさる家」の文字。


衝撃的なタイトルですが、

逆に考えてみれば「くさらない家」の方が、怖いんですよね。


「くさる家」は、言い換えれば

土に還る家です。

住む人がいなくなった後、家も土に還る。

くさらないと、当然残るのは

処理しきれないゴミの山。


いつまでも新築当時の美しい家を、

メンテナンスの理由から、ついつい理想としてしまうけど

大きな目で見た時に、そんな家は後々、

処理が大変なだけのゴミの山になってしまう。


【永遠】を望んでも、

私たちは、いつか死んでしまう。


土に還りやすい素材で、家を建てること。

外気温の影響をうけにくい工夫をすること。

省エネ・創エネできる工夫をすること。


これらは、お家を建てる時に

少しはできることかもしれません。


科学者ではないので断言できませんが

なんだかクーラーが普及しだして、夏が余計に暑くなった気がします。


一家に一台どころか、今は一部屋に一台です。


クーラーがここまで普及する以前は、

熱中症で何人も緊急搬送されたとか

ゲリラ豪雨とか言っていなかったように思うのです。


もちろん、クーラーだけのせいではなくて

問題は、あまりにも「完璧」な状態を

求めすぎるところにあるのかと。


クーラーの「完璧」に近い涼しさに慣れると、

ちょっとの暑さが、我慢できなくなる。

スイッチ一つで、もっと快適だからです。

そんな状態になれてしまうと、

「完璧な快適」を求めすぎて、

ちょっとの「不快」が問題視される。


人の知恵は偉大ですが、

人間がすることに完璧はありません。

だから、大きな目で見た時に

こっちは解決したけど、思わぬ別問題がおこることがあります。

気を付けないと、バランスがとれなくなるのです。


「完璧」を求めすぎない。

右に大きく振れれば、その反動は左に来る。

気を付けないと、必ずしっぺ返しが来る。

環境に限らず、どんな事にもです。


人間の「完璧」を求める欲のために

もう、コアラが泣き叫ぶことのないように。


私にもできることを、考えたいと思います。