信じる
先日、友人が話してくれた本の内容が
ちょっと興味深かったので、今日はそのお話。
「質で勝負する時代が終わった」というのです。
終戦後の物のない時代は、とにかく物をそろえることに必死。
白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が、三種の神器なんていわれたこともありました。
一般家庭にも、そういった物が揃ってくると
今度は「質」の時代になる。
じゃ、現在はというと
100均ですら、そこそこの品質のものが買える。
良い品質のものを、安く。
そうすれば勝ててたことが、うまくいかなくなる。
良い品を安く売るほど、自分の首も締まってくる。
今は、ストーリーを売る時代なんだと。
iphone、アップルといえばスティ―ブ・ジョブズ。
マイクロソフトといえば、ビル・ゲイツ。
ソフトバンク、楽天、ユニクロ。
それぞれすぐに名前と顔が浮かびます。
三菱○○とか、住友○○とか、
昔からある大きな会社の、トップの顔は
良く知らない。
品質で差が出にくくなった今
トップが何を考え、どこを目指し、どう行動しているのか。
そのストーリーこそが、魅力なんだという話です。
・・・それで、この頃ト●タのCMには
社長がでるのかしらん?
●産は、ゴ●ンさんの顔は思い浮かぶけど、
トラブルがらみでしか思い出せません。
ス●キやホ●ダの社長さんも、私レベルでは
失礼ながら、思い出せない。
私は、糸井重里さんの『ほぼ日』を毎日見ているのですが
糸井さんは物書きですから、「今日のダーリン」というエッセイを
(今のところ、ほぼ)毎日書いています。
コラム然り、中のコンテンツや
乗組員さん(スタッフ)の活動の様子などからも
なんとなく、ほぼ日という会社の【温度感】を感じます。
その【温度感】が好きで、
これまた何となく、お守りのように
(少々割高ですが)ほぼ日手帳を購入しています。
そうなんです。【温度感】がキーだと思うんです。
広告まがいのことを仕事にしていて、
閉塞感を感じるのは、まさにその点です。
質の違いを伝えようとすると、他を
(悪くまでは言わなくても)下げた感じにしてしまう。
しかも、従来の広告だけでなく、ネット上でも
ウソかホントか分からないような広告や
レビューの仮面をかぶった文章が並んでいます。
さも良さそうなことしか書かないし、
見てる方からしたら、もうウンザリなのです。
そこに昔ながらの「質の差」ばかりを伝えようとすれば
よ~っぽど気をつけないと
「よその製品、そんなに悪いん?」って印象にすらなる。
ましてや、どんなに気をつけていても
人間のすることに完璧はありません。
相性の問題もある。
広告に惹かれて買ったはいいけど、
もうリピ(リピート)しない。
そういうこともあるでしょう。
トップが、何を思い、どうしていきたいのか。
それを支えるスタッフたちの温度感。
それに注目する第三者の【信頼】が、大事になってきている。
要は、会社の考え方のファンを増やすということです。
もう、なんで読んだのか、それとも
ドラマか何かで見たのか忘れましたが
時々、この言葉を思い出します。
言葉を信じたから、人を信じるんじゃない。
人を信じたから、その言葉を信じるんだ。
なるほど、「信」という字の書き順は
「人」を先に書いて、「言」です。
もちろん、「人」を信じて
「言」った事と、実際とが違っていたら
それはもう、対応の仕方しだいでは
二度と「信」じてはもらえなくなります。
どう考え、どう行動しているのか。
未来のお客様が見ているのは、
その【まなざし】、【温度感】だと思うのです。