なつかしさの裏側には

大分・自然素材の家。もくせい工舎・ことりのかあさん


先日、ある廃校にお邪魔しました。

待ち合わせた友人が、
「朝、廃校になった小学校の草刈りでね。
でも、すぐ終わった。
『いっつも手入れしよるけん、時間がかからんで終わるけどね~』
っち、近所の人たちと言いよったんよ~」
というので、

「廃校...。」

「うち、地区が自分たちで管理するけって
廃校になった後も、手入れしよるんよね~。
普通、市の業者かなんかが来るんやろうけど。

今、地区でサロン開いたり、資料展示したりしよるんよね~。」

個人的には、廃校って
どこぞの団体なんかがリノベーションして
うんたらかんたらというニュースばかり聞くので

「自分たちできちんと管理するから!」という地区の話は
とても意外だったのです。

廃校になって、第三者にわたった学校が
何だかすっかり"こじゃれ"てしまって、
地区とは一線を画す、別物になってしまうような
思い込みがあったのかもしれません。

よくよく考えたら、
廃校をリノベーションして、カフェとか、シェアオフィスとかは
「新店舗オープン!」と宣伝されるので、知っているだけかも。

地道に、地区が手入れしているという情報は
わざわざ、あまり報道されそうもありません。

なんとなく、その大事にされている学校を見に行ってみたくて
忙しい友人に付き合ってもらって
訪れてみた、というわけです。

場所は、中津市津民の河川プールのまだ上流。
長岩城跡の近くの、永岩小学校。
旧とつけたくなりますが、まだ使われてますものね。

210915_校庭から校舎を望む

小さな校庭に桜の木。
そして、こじんまりとした校舎がありました。

210915_nagaiwasyo_1.jpg

正面には、木製の手書きの表札。

210915_職員室前210915_ガラスの建具
古い木の建具が味わい深い、職員室前。

210915_保健室前のかわいいボード210915_長い土間付きの廊下
手づくりの可愛い掲示板のある保健室前。土間が平行する廊下をはじめて見た。

210915_体育館
小さめのかわいい体育館も。烏骨鶏とウサギの飼育小屋もあった。

まず案内してもらったのが、最後の在校生たちが作った
長岩城の模型。

なんでも、先生に
「賞をとったら、東京に呼ばれるけん、
東京ディズニーランド、いけるぞ!」
と、のせられて(?)放課後残ってまで
完成させた力作です。

山城の様子を分かりやすく伝えるために
等高線を参考に、山の起伏を表現したり。
特徴的な平べったい石積みを、忠実に再現したり。

崖が危険だからって、「落ちたら死ぬ」と書いてあったのには
笑いました。

「本当だ。落ちたら、そりゃ~死ぬかも(笑)」

その作業の様子や、学校行事の様子が
掲示されていて、友人から
地域あげての運動会の様子も聞きました。

「70、80のおばちゃんたちが、
もう、元気いいでな~」

地区の敬老会も、ここでやっていたとか。
写真には、何とも楽しそうな
笑顔が並びます。

あえてこの自然豊かな環境を気に入ってくれた
先生も少なくなかったようで、
校長先生入れて、4~5人の先生たちの
満面の笑みの集合写真もありました。

大型校では、あまり見ない類の教職員写真です。
(大型校も、満面の笑みで写ったって良さそうなのに。)

私の友人も、ご主人も、お子さんも、今は亡きおじいちゃんも
この学校の写真に楽しそうに写っていました。

ふと思ったのは、懐かしさには
必ず裏に、温かな思い出があるということです。

辛い記憶や、それにまつわる傷が癒えていないうちは
なかなか、その場所を懐かしく思い出すことなんてできないからです。

大きな桜の下、地区の人たちが
お弁当を広げ、楽しそうに笑う写真に
「自分たちが管理するけん」の
意味が分かったような気がしました。
(気がしただけ、かもしれないけれど。)

地区の絆って、無理強いして
できるものではないように思います。

嫌々参加っていう人もいるかもしれない。

かくいう私も、あまり地区の行事やPTAは好きではない。

ただ、少しずつ、
色々もやもやはあっても、少しずつ
顔なじみになる、
名前くらい知ってる人になる、
話をしたことがある人になる、
笑いあったことがある人になる、

そういった些細なことの積み重ねが
地域で生きるってことではないかと
この歳になって思うことです。

今いる場所が、いつか懐かしく思い出されるように、
色々あっても、どこか温かい記憶として残れば
良しとしたいところです。

地区もそうですが
子ども達にとって、我が家もそうかもしれない。

顔をあわせれば、嫌みや忠告しかででこない親がいる実家より
近所のおばあちゃんの方がよっぽど懐かしいなんてことだってある。

それってやっぱり、【居心地の良さ】ではないでしょうか。

居心地のよかった場所は、
きっと思い出しては
【懐かしい場所】になるのだと思います。

そんな居心地の良い
思い出の場所の一つが
わが家であれば、親冥利につきそうです。

そんな居心地の一助になりそうな木の家が
もうすぐお目見えします。

そうそう、宣伝なんです。
だって、自然素材の工務店もブログですもの。
ちゃんと、告知しとかないと(笑)

どうか、こちらもぜひ
良かったら、一度ご覧ください。
お待ちしております。

9/25・26 国東市完成見学会