よみがえりの箱から
わが家は、長靴のような敷地に建っています。
その、足の首からつま先に当たる部分に、小さな畑があって、
サツマイモや、ミニトマトなどを植えています。
そのサツマイモ。
今年は、苗を買わずにすみました。
冬越しさせたサツマイモ【本体】から、植え付けに成功したのです。(小さくガッツポーズ!)
イモの【茎】を、越冬させる方法を2年間試してみたのですが、
ことごとく失敗。
黒く、ズルズルになって、どうにもなりませんでした。
(花瓶に生けた菊の花が、古くなってくると、茎がズルズルになる感じに似ています。)
今年は、暖かくなってきて、芽が出てしまったイモ【本体】や、
食べる時の切れっぱしを、育苗ポットで育て、畑に本植え。
(雑草農法というか、菌ちゃん農法のかじりというか、刈り草だらけ、草だらけの畑。)
これが、強い強い!
栄養素として本体という土台があるからか、
暑さ、雨の少なさで、いつのまにか枯れて、土になっている。
・・・なんてことがない。
(サツマイモの茎だけ植える一般の方法では、うちの畑では、一部ダメになるものもありました。)
猛烈な暑さ、短めの梅雨で、降水も少なめだったのに、
昼はだるそうにしていても、翌朝はシャキッとしている。
これには、驚きました。
まだまだ、収穫まで気が抜けませんが、無事に成長したら、またお伝えします。
驚いたことは、他にも。
育苗ポットで、育てている間、どうしても芽が出ないものがありました。
イモ本体も、ぶよぶよ。
「あ~、これ、もうダメなんだろうな~」と、
コンポストに入れたのです。
その数日後。
め、め、芽が!芽が!
芽が出とる~!
腐っていると思っていたイモの一部が生きていて、芽を出していたのです。
すごい!よくぞ生きていた!ブラボー、ブラボー‼
こ~んな、少しの部分から発芽しているんですよ~。すごくないですか?
捨てられたものの底力というか、ど根性というか。
なぜか、こちらまで嬉しくなる!
そして、この蘇りのコンポスト。
新たに生を得た、ものがいる。
(落ち葉+生ゴミ+落ち葉・・・の、コンポスト。ワイヤーメッシュがなかったので、永家さんからもらった、犬用ゲージで代用。)
カボチャです!
捨てたかぼちゃの種が、発芽したのです。
コンポストの脇に溢れた、栄養たっぷりだけど、少しの土。
それを土台に、もう一花咲かせる。不死鳥のようなカボチャ!
何個か芽が出ていたので、一部は畑に本植えし、
一つはそのまま、コンポスト脇で、様子を見ています。
付け根のところがコルク化したら、収穫の目安らしいので、まだかまだかと、毎日見る。
ほったらかしにしていても、数個実をつけています。すごい!
本当は、茎の一本をのこして・・・みたいなのがあるのかもしれませんが、
放っておいたらどうなるかも、みてみたい。
小ぶりなものが何個も採れると、煮崩れも控えめで良さそう。
もはや、実験です。
畑に本植えしたものと、コンポストのもの。葉の色と形が少し違っているのは、種類が違ったのか?食べてしまったあとなので、なんとも。
捨てられたはずのものが、起死回生を果たしたり、
枯れて死んだように見えた落ち葉が、次の何かを育てる土台となったり。
畑仕事が向いているとは、とても思えない私ですが、
思いがけず励まされたり、元気づけられたり。
正直、長靴の先端の土地は、畑にするしかなくて、
いたしかたなく、だったのですが、
ここから教わったことは、収穫以上のこと。
落ち葉を含め、土って、本当にすばらしい!という実感と実体験です。
参考にしたコンポストのことが掲載されていた本は、
いつか土壁の家の【本コーナー】にお持ちできればいいな、と思っています。
栄養さえ入れておけば、誰でもうまくいく水耕栽培も魅力的ですが、
土には、人間が思う以上に、だいじな何かを秘めている。
若かりし頃の?コンポスト。コンポストとは堆肥のことで、容れ物は、コンポスターというのだとか。
堆肥をつくって、遠慮なく、どんどん土に還せるのは、土のある暮らしの良いところ。
土は、無数の【命】そのもので、
その幾多の命と、ぐるぐるまわる再生の、小宇宙なんだと思います。